ウィルチェアファミリーチャンネル

当ブログにご訪問ありがとうございます! 【wheelchair family channel 】ウィルチェアファミリーチャンネルです。 車椅子ユーザーでも臆せずパパママになれる社会にむけての情報をメインに発信しております。当たり前ですが、車椅子ユーザーでも家庭を持って子育てができます。 少しの工夫をみんなで共有して大きな愛のある生活を手に入れませんか?

車椅子ママたちの育児術!私はこうして育児しました~だっこ編~

車椅子での抱っこはどうしてるの?



どうも。昨日は家族でトイストーリー4を見てきた車椅子男のYOME、のりちゃんです。

息子の映画館デビュー、私も映画館は5年以上ぶりでした。


ラストに感動してふと横を見ると

旦那→寝てる

息子→「ママ、ぼくもう見なくていい」


……お前ら( ̄▽ ̄)

 

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えりちゃんのべべポケットのモニター体験記事を受けて、

私も車椅子での抱っこや、抱っこ紐について思い出しておりました。

(モニター体験をさせて下さった、ピープル社様には心より御礼申し上げます。)

育児って、過ぎてしまえばびっくりするほどすぐ忘れるの!!!

 

wheelchairfamily.hatenablog.com

wheelchairfamily.hatenablog.com

 

www.people-kk.co.jp

 

  

今回、仲良くして頂いている3人の頚椎損傷の車椅子ママたちに抱っこについてリアルなお話を伺うことが出来ましたので

そのお話をここに載せさせていただきたいと思います。

 

正直な話、パパだけが車椅子の場合

「俺はできんからやらんくてもいいわー。」とトライもせず嫁に投げてしまえます。

(実際そういう話はよく聞きますし、障害ないパパでも多いですよね。

 うちもそのタイプだけど、それ続けてると嫁が倒れるよ?)

ですが、ママが車椅子の場合、

子どものことを人に投げるって難しいし、投げるのにさえ凄い勇気がいるんじゃないかなと思います。

 

 

我が家がどうやって実際に育児していたかについても、

追々と書いていきたいと思っています。

 

 

 

 【注意】

 この記事を読まれる上で読者の方々にくれぐれもご理解いただきたいのは、

 ここに載せた商品が車椅子での利用を想定しているものではないことと、

 本来の使い方ではない場合もあり

 車椅子の育児経験者が実際に使用していたものではありますが、

 車椅子ユーザーが安全に使えることを保証するものではありません

 また、車椅子ユーザーなら必ず使いやすいと保証するものでもありません

 十分ご理解の上、自己責任でご使用ください。

 

 

 頚椎損傷は、首の神経を外傷や疾患などにより損傷し

 四肢麻痺状態を呈します。

 損傷の部位や程度により、体の状態の個人差は大きいですが

 足のみならず手にも障害が出ることがほとんどです。

 そのことを踏まえてお読みください。

 

 

 

 

 

 

 

お子さんが1歳の時に受傷(C7)された1児のママ、さん

 

 

Yさんーーーーー

退院して子どもと再び暮らし始めた頃には既に抱っこ紐の必要な時期は過ぎていました。

ですから、家族3人で出かける時は私の膝に乗っていました。

聞き分けの良い子で、

膝で寝てしまうこともなく、ホールドしなくてもしっかり座っていてくれましたから、抱き上げて膝に抱いていました。

 

 

のりちゃんーーーーー

車椅子に座ったままお子さんを抱き上げることができるんですか?

 

 

Yさんーーーーー

子どもが膝に自分からよじ登ると、痙性が起きてカオスになるので

私のタイミングで抱けるよう、抱き上げて欲しいときは背中向いて両脇あげてTの字待機するように子どもに教えていました

痙性とだっこのタイミングが合わず失敗する時もあります笑

 

うっすら残っていた右の背筋と背中の痙性で20kgまでは抱き上げていました。 

あとはソファとかベッド経由で膝に乗せるのが一番平和なルートですね。

 

 

のりちゃんーーーーー

足や腹部に痙性が入ったと言って、

ガクガクブルブルしてる方を見ることはありますが

うちの主人には痙性がないので、イマイチ”痙性を使って…”というのがイメージ出来ないのですが。

 

 

Yさんーーーー

ガクガクブルブルを通り越して私は筋肉が硬直するんです。

ですから、その瞬間を狙って抱き上げるんです。

人によるとは思いますが、人工的にというか意識して起こせるようになるとそれも筋力として使えるようになるんです。

この辺に急に力込めるとこういう痙性が起きやすいと、なんとなくわかるんです。

 

背中と腿背面の痙性を起こせると背筋力が上がるんです笑

 

 

のりちゃんーーーー

詳しい説明ありがとうございます。

電気が走った時の筋肉の硬直のイメージなのかな?

 

 

 

 

 

7年前に受傷(C6)し妊娠出産、1歳のお子さんを育てるHさん

 

 

 

Hさんーーーー

私も痙性で手が突っ張ることがあるのでそれを使うときもあります。

私はだっこはできる気がしません。

 

今は同じ頚椎損傷のママさんから譲り受けたチェアベルを使っています。

膝の上に子どもを乗せるのも装着するのも主人の手を借りていますが、それが一番安全な方法です。

 

お座りできない時期は、同じく毛先輩ママにいただいたベビービョルンのベビーキャリアオリジナルを使っていました。

 

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チェアベルトを手に入れて子どもが座れるようになってからはチェアベルトばかりです。

 

 

日本エイテックス 【日本正規品】 キャリフリー チェアベルト ブラック 01-069

日本エイテックス 【日本正規品】 キャリフリー チェアベルト ブラック 01-069

 

 

 

 

のりちゃんーーーー

腰にベルトのあるタイプはどうですか?

頚椎損傷のママさんでボバラップを使う方もおられると聞きましたがどうでしょう?

 

 

 

Hさんーーーー

車椅子のママは腰のベルトがあるものは使い辛いのではないかと思います。

ボバラップは密着しすぎて、熱がこもりそうな気がします。

 

チェアベルトは日本エイテックスのものが楽ですね。


べべポケットも最近手に入れ、まだ使っていないのですが

子どものホールド感は良さそうですが、紐が多すぎて面倒なのではと不安です。

装着してくれる主人が面倒くさがりそうです。

安全性ももちろん大事ですが、私のような頚椎損傷者は手が利かないのでシンプルな構造がありがたいんです。

 

Bebe Pocket べべポケット ブラック

Bebe Pocket べべポケット ブラック

 

 

 

のりちゃんーーーー

頚椎損傷のママさんはどうやって赤ちゃんをだっこするんですか?

 

 

Hさんーーーー

私は腕の力が弱く、落としそうで怖いのでほとんど抱っこはできません。

子どももわかっているのか、私にだっこはせがみません。

代わりに主人や祖父母、叔父叔母にはたくさんだっこをせがんで、代わりに抱っこしてもらっています。

甥っ子は2歳くらいの頃から膝の上によじ登ってきてくれて抱っこできたので、

我が子もそうなるのかなと楽しみにしています。

子どもも1歳を過ぎ随分としっかりしてきたので、小上がりから膝にのぼらせればなんとかなるかな?

 

 

のりちゃんーーーー

お子さんもちゃんと周りの人を見て小さいなりに理解しているんですね。

Hさんは日中お子さんとお二人で過ごされるときもあるとお聞きしましたが

お子さんが泣いたときはどうされていますか?

 

 

Hさんーーーー

だっこをせがまない代わりに、ミルクをあげたり

お気に入りの毛布をあげたり、お菓子を食べれるようになってきたのでお菓子をあげてあやすと

なんとか泣き止んでくれています。

 

 

のりちゃんーーーーー

ママにできないことを子どもはしてもらえないのではなく

ちゃんと周りの大人がサポートして、ママの分もたくさん抱っこをしてあげているというのがとても良いなと思いました。

子育てが個育てでなく、多くの人に愛情を注いでもらえるお子さんは幸せですね。

普段思うようにだっこしてあげられない分、

抱っこ紐やチェアベルトを使って繋がれる時間はお互いにとって嬉しい時間ですね。

 

 

 

 

 

受傷後(C6不全)に妊娠出産し3歳になるお子さんのママ、Kさん

 

 

 

のりちゃんーーーー

まずは抱っこについてお教え願えますか?

 

 

Kさんーーーー

私はHさんと同じようにベビービョルンのベビーキャリアオリジナル日本エイテックスのチェアベルト・キャリフリーを使っていました。

 

3歳になった今はYさんと同じように、子どもに手を広げてT字で待機させ抱き上げるか、子どもが足によじ登ってきます

 

私の場合は少し足が利くので、踏ん張って子どもを抱き上げます。

よじ登られた時に痙性が入ると足がピーンとなってしまうのですが、

子どもも慣れたもので落ちずにうまくしがみついて上ってきます。

抱き上げるときは手で子どもをホールドできないので、手首で押さえます。

 

今は何もいらなくなっって座ってくれていますが、

私の足がだんだん開いてきて、可愛いお尻が落ちそうになるので

冷え対策と落ち防止のためにひざ掛けが欠かせません。

 

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これはユニクロで購入したコットンのひざ掛けです。

これがあると子どものお尻が私の腿の間にすっぽり落ちてしまうのを防げます。

 

チェアベルトはこんな使い方もしていました。

腕の力のない頚椎損傷者でも車椅子は楽に動かせるので、車椅子に乗せて揺らしてあやしたり

飲食店に入ったときに私が椅子に移乗して、主人が子どもを車椅子に座らせて

それで食事したりもしました。何かと使い勝手は良かったのですが

難点が、自分一人ではできないことですね。

 

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私は中腰になれるので首が座ってからは抱っこはできましたが、新生児期は自分でベッドから抱き上げることはせず、抱くときは主人や祖父母、叔父が抱き上げて私の腕に抱かせてくれました。

本当に私って役立たずだな…と今でも凹みます。

 

 

のりちゃんーーーー

できないことや難しいことを人に任せるのも勇気ですよね。

ましてや子どものことを人に任せるというのは親として勇気のいることだと思います。

 

 

Yさんーーーー

失敗が許されない時期は、人に任せるのが母親として子どもを守る手段ですから

胸を張っていいんですよ。

 

 

のりちゃんーーーーー

Yさん!それは名言ですね!

 

 

Kさんーーーー

ありがとうございます。

そういっていただけると救われます。

抱っこ紐のことなんですが、実はスリングも買ったんです。ですが私には向きませんでした。

子どものおさまりが悪いというか、子どもの頭がちょうどアームレスト(ひじ掛け)のあたりに来るので抱きづらく感じました。

それに子どもをスリングに入れるのが車椅子上だと難しく、台の上で入れてから肩にかけるのも難しかったんです。

 

 

Yさんーーーー

スリングはKさんの体が前に倒れてしまいませんか?

 

 

Kさんーーーー

前倒れは私は大丈夫でした。

ですが抱っこ紐の方が支えがしっかりしている分、重さがダイレクトに来ない気がします。

 

 

のりちゃんーーーー

凄く勉強になります。

抱っこ紐の腰ベルトをKさんはどうお考えですか?

 

 

Kさんーーーー

そもそも、抱っこ紐の腰ベルトは手が上手く使えない頚椎損傷者には不向きです。

 

ビョルンのベビーキャリアオリジナルだと面倒な工程がないのでいいですね。

手が利かないので余分なものはいりません。シンプルが一番使いやすいです。 

 

腹筋が利く人であれば車椅子ユーザーであっても

腰ベルトのあるタイプは使えるのかもしれませんが。

子どもの首が座ってからは、もっぱら前向き抱っこをしていました。

子どもも大きくなるから、狭い膝の上では前向きでないと苦しそうでした。

 

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のりちゃんーーーー

 色々と貴重なお話、ありがとうございました。

 

 

 

こぼれ話

 

Yさんーーーーー

自分の子どもの時は抱き上げることができましたが、

もう今は筋力に自信がないのでいつか孫が産まれたら、

こういうのを用意しようかと思っています(笑

 

 

Hさんーーーー

これはペット用ですか?車椅子への階段?(笑

 

Yさんーーーー

上手くいくかはお楽しみです。

 

のりちゃんーーーー

私はYさんのお孫さんが楽しみです。

いつかお孫さんができた暁にはぜひ、抱っこさせてくださいね。

 

Kさんーーーー

赤ちゃんはたくさんだっこしてもらった方がいいらしいから、

お子さんには勘弁して頂いて私も抱っこしたいです。

 

Yさんーーーー

もちろん!

 

 

 

 

まとめ

 

みなさん貴重なお話、ありがとうございました。

今回のお三方中お二方は、

ベビービョルンのベビーキャリア日本エイテックスのチェアベルト・キャリフリーの組み合わせを使われていましたね。

 

我が家も腰ベルトなしのスナグリ日本エイテックスのキャリフリーを使っていましたがその話はまた後日。

 

 

 

難しいことは時間がかかっても工夫をして、

できないことはできないと割り切り、上手に周囲の手を借りて

みなさん丁寧にうまく育児をされているなと感心します。

 

 

体が利くとどうしても、

自分でやれないとダメなんじゃないかと思ってしまいがちですが

先日、特別支援教育に関する勉強会に参加させていただいた際に、

講師の方がこんなことを仰っていたのを思い出しました。

 

 

「人類の長い歴史の中で女性が1人で子育てをしたのは、日本に於いては高度経済成長期以後の10数年です。

 それまでは多くの時代で、女性は助け合って3人以上で子育てをしてきた歴史があるのです。

 相談することや手を借りることは恥ずかしいことではありません。みんなでするのが本来の人間の子育てです。」

 

 

母親に障害があり、物理的にできないことが人より多いから

手を借りなければならない”のではなく、

子どもは多くの人に関ってもらい、愛情を注いでもらうことでいろんなことを学び成長できるから、手を借りる必要がある”のですね。

 

 

障害の有無に関わらず、育児に必要なのは人の手と目です。

それを善意で借りることができない今の時代は、お金が必要になるわけですが

今回お話をお伺いしたお三方は、上手にご主人や親族を育児に巻き込み、

人の手と工夫を使って上手に育児をこなされていましたね。

 

 

Yさん、Kさん、Hさん、今回はありがとうございました。

また機会がございましたら、ご協力いただければ幸いです。

 

 

 

 

体験談募集

ウィルチェアファミリーでは情報を1箇所にまとめていきたいと考えており、

車椅子での育児体験、

車椅子の配偶者との育児体験等を広く募集したいと思っています。

 

抱っこに限らず、沐浴やお風呂、おむつ交換やその他育児等、

ご自身の経験を記事にしても良い・こんな方法もあるよ!と広く知ってほしいという方がおられましたら

E-mail、またはTwitterInstagramにコメント・メッセージいただければと思います。

メンバーの個人アカウントをご存知の方はそちらでも結構です。

 

よろしくお願いいたします。

 

 

のりちゃんでしたm(_ _)m