ウィルチェアファミリーチャンネル

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車椅子ママの妊娠から出産まで体験記②

お久しぶりです。みっちゃんです。

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3月から晴れて就職することになりまして、
完全在宅での勤務にちょっと緊張していました。
それも束の間、
2月後半は子供達の水疱瘡のうつしあい、
世間は新型コロナと、緊張もどこへやらの
慌ただしい在宅勤務のスタートとなりました。
 
世界はたった数ヶ月でこんなにも変わってしまうものなのですね。
戻らない「日常」と呼んでいた日々を、
こんなにも待ち焦がれて過ごすことになるとは思いませんでした。
 
 
さてさて。
妊娠・出産の話を掘り起こしておかないと、
そろそろ本当に遠い過去になってしまいそうです。

車椅子ママが妊娠・出産の経験から得たこと

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私の場合、三人とも自然妊娠です。
 
一人目の妊娠が分かったのは、2009年になってすぐ。
未婚だった私はすぐにパートナーに報告し、
子供ができたことだし、結婚しましょう。という流れになりました。
(色々とすったもんだはありましたがここでは関係ないので割愛)
 
 

産婦人科受診の前に知っておきたかったこと 

とりあえず、妊娠を確認するため、
 
私たちは特にこれと言って考えのないまま
市内の産婦人科へ行きました。
 
昔から有名な、お産ならココ!みたいな、
耳にした噂をそのまま鵜呑みにして。
 
 
今考えたら、電話くらいすべきでした
 
  • バリアフリーかどうか
  • 車椅子で診察台まで行くことはできるか
  • 広めのトイレはあるか
  • 障害があっても分娩を受け入れてもらえるか
 
最後の項目以外は電話で聞けば済む話だったのですが、
とりあえず妊娠を確認しに・・くらいの気持ちで行ったら、
 
予想外の事態が待ち受けていました。
 
 
予想外①
全然バリアフリーではない。
 
予想外②
診察台に乗るまでに、なぜか数段の段差を上がる。
 
そのため、パートナーに抱えられながらの全介助。
 
一瞬で
「ここは通えるところではない」
 
と、さすがに分かりました。
 
想像していたよりも、
そこの産婦人科は車椅子ユーザーの私にとってはバリアのある医院でした。
 
大きなお腹を抱えた妊婦さんが来るのに
なぜバリアフリーではないの?
 
と勝手な先入観を持っていましたが、
現実はそんなに甘くなかったです。
 
古い建物ならなおさら
設備的にバリアフリーが整っていない病院があっても
何ら不思議はないのです。
 
(想像力が働かないのなら、
せめて事前に問い合わせくらいしましょうよ。
と、昔の私たちに言いたいです)
 
 

車椅子での出産を受け入れてくれる病院

妊娠が分かったその医院で、

別の病院に向けて紹介状を書いてもらいました。
 
分娩までお世話になる病院の選択肢はあったのですが、
 
2択。
 
どちらも大きな病院です。
 
かと言って、「ここがいい!」という希望もなかったため、
(そんなもんか・・)
と受け身に捉えることしかできませんでした。
 
2箇所の病院のうち、
夫の仕事場から近い病院に通うことにしました。
 
その病院におばが勤めていたということもあり、
下調べもしないまま、
紹介状を書いてもらう時点で決まってしまいました。
 
 
受け入れてもらえそうな病院を選ぶことができるなら、
下調べをしておけば良かったことがいくつかありました。
 
 
(妊婦検診のこと)
  • 後期まで、途中経過の妊婦検診は家から行きやすい産婦人科でも良いか?
  • 検診時、診察台に乗るときは手を借りられるか?(毎度、同行者が必要かどうか)
 
(出産時のこと)
  • 身体障害を持った方の出産の前例があるか?
  •  帝王切開以外の分娩方法を提案してもらえるか?
  • 帝王切開する場合は、お腹を縦に切るか?横に切るか?
 
(設備について)
  • 産科の病棟には、身障者トイレはあるか?(なければ、使えるトイレまで距離は?介助は必要?)
  • お風呂はバリアフリーかどうか?段差や、スロープ、手すりの有無。(目安にはなる)
  • 病室は何人部屋で、車椅子の入るスペースはとれるか?(部屋によって入院費も変わる)
  • 陣痛ベッドと分娩台は別か?(一緒のタイプなら、陣痛室から分娩台へ移動しなくて済む)
 
 
などなど。
 
聞きたいことは山ほどあったんですが、
車椅子ユーザーならではの疑問点として、
上記くらいは事前に聞いておいたら良かったかなと。
 
優先事項でなかったとしても、
入院したあとで「こんなはずではなかった」と思うよりは
事前に知っておいた方がいいですよね。
 
気になることは早めにピックアップして
「ここは譲れない」と思うことは予め問い合わせておくなど、
準備が必要です。
 
 

妊婦検診について

妊婦検診は最初から最後まで、
分娩予約をした病院に通いました。
(大学病院なので、待ち時間が毎回長かったです・・
二人目、三人目の時にお世話になったクリニックのほうが
待ち時間は短かったように思います)
 
私は、「経膣分娩」が良かったので
(というか、トライもしないで帝王切開は避けたかったので)
その希望は伝えたように思います。
 
 
「やってみましょう。
うまく出てこなければ吸引分娩しましょう」
 
そのように提案して頂けました。
 
頼れる医師に巡り合えたので幸いでした。
 
 
病棟にちょっと不便があっても、
頼りになる産科医や助産師さん達がいたので
そこの病院で産んで良かったと思えました。
 
 

入院について

 妊娠中の話は、前回こちらの記事でおはなししました。
 
妊娠後期に差し掛かり、
急に陣痛がくるのも心配だったため
少し早めに入院することに。
 
トイレも大変なのは変わらなかったし、
私が使用できる、唯一のトイレが分娩室のエリアのトイレで、
トイレに行きたくなるたびに
ナースコールで人を呼ばなければいけないのは
ちょっとストレスでした。
 
余談ですが、そこのトイレを私は2回ほど壊しています。
つまらせたり、何かの金具を外してしまい水びたしにしたりと・・
かなりお騒がせな妊婦でした。(泣)
 
 
お風呂はほぼ毎日入れたものの、
家のお風呂とはだいぶ勝手が違うため
お風呂の椅子に移乗するときや、
車椅子に乗り移る時や着替えの時には、
病棟のスタッフさん等の手を借りる必要がありました。
時間枠も二人分とってもらい、
急いで入らなくてもいいように配慮して下さりました。
 
しかし、そこでもトイレの失敗をしたことがあり、
排泄関係で落ち込むことは何度かありました。
 
 
 
それ以外に、赤ちゃんが予定より早く出てくるだとか、
身体的に異常、といったことが全くなかったため
週末は一度家に戻って外泊をしたくらい、
余裕をもった入院でした。
 

陣痛促進剤で予想外の出来事

 
病院に戻り、予定日が近づきました。
陣痛を待ちたい気持ちもありましたが、
陣痛促進剤の点滴を開始しました。
 
それがまた排泄問題を引き起こし、
どうやらお腹が緩くなることのある点滴だったようで、
案の定、お腹を下して大変な目に遭いました。

 

そういう副作用があるなら先に言っておいて欲しかったです(泣)

最初に使用したプロスタグランジンは、

副作用として下痢を引き起こす模様。

その後は別の種類の製剤に変えてくれたようで

それ以来お腹を壊すこともなく、

無事、陣痛もやってきました。

 

陣痛促進剤は、人によっては副作用をもたらすようなので、

心配な方は担当医に尋ねたほうが良いです。

 
排泄関係以外にも副作用があるようなので
事前に詳しく説明を聞いた上で
安心して陣痛を待つ心の準備も必要ですね。
 
 

いざ分娩台へ・・・!

 
促進剤は陣痛室のベッドで点滴していました。
陣痛が起こってからも、しばらくは分娩室の隣にある陣痛室で
母に背中をさすってもらいながら、うんうん唸っていました。
 
子宮口が十分に開いたことを確認し、
陣痛のタイミングを見計らって
車椅子に移乗。
 
とはいえ、点滴やお腹にベルトを巻いているので
なんだか色々邪魔くさかったです。
 
 
車椅子に乗り移り、
隣部屋にある分娩台に乗り移ろうとするのですが
お腹が重いのと、分娩台のサイドについたグリップ(握りしめるとこ)が
これまた邪魔で、
なかなかうまく移乗できなかったことを覚えています。
 
事前に練習でもできれば良かったですが、
赤ちゃんを産む特別な場所だし、ぶっつけ本番です。
 
常時いれっぱななしの留置バルーンカテーテルは、
分娩台に乗り、ぱっかーん状態のタイミングで外されました。
 
いきんだ時にバルーンが出てきてしまう可能性があり
尿道が傷ついてしまうのを防ぐためです。
(万一尿道が裂けたら、
それはそれで外科的処置が必要なので大変だそうです)
 
もう排泄がどうこう言ってる場合ではありません。出るものは出ます。笑
 
分娩台の上で痛みに耐え…
呼吸を意識するけれどそれどころじゃない、
こんな痛み二度とごめんだ!と思いながら(その時はそう思いました)
痛くて痛くて泣いていました。
私の願いが通じたのか、3時間くらいで出てきてくれました。
初産にしては安産のほうだったのではないでしょうか。笑
 
助産師さんには「うまくいきめていた」と後から聞いたので、
私の貧弱な腹筋でも役に立った様子。
幸いなことに、吸引もせずにすんだようです。
 
あと、いつの間にか会陰切開はされていました。
陣痛の痛みでそれどころではないと聞かされていましたが
本当に気づかないものとは。。
 

あとがき 

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(絵・のりちゃん画)

 

長々と文章で振り返ってみました。

その時々で大変なこともたくさんあり、

凹んだり落ち込んだりもしましたが、

無事に生まれてきてくれた我が子が愛おしくて

幸せな気分に包まれた瞬間は

いまでも忘れがたい思い出です。

 

3回も経験しているけれど

予想外のことが起こったり

同じような失敗をすることもしばしば。

 

いち車椅子ママの経験談として

お伝えできたでしょうか。

 

もっとこんなこと聞きたかった。

だとか、

こういう時はどうしたの?

 

といった疑問や質問がありましたら、

遠慮なくコメント欄やtwitterなどに

書き込んでください。

 

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喜んでお答えいたします〜

 

 

 

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