ウィルチェアファミリーチャンネル

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車椅子ママの妊娠から出産まで体験記①

こんにちは。車椅子ママのみっちゃんです。

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長女のハーフ成人式が近づいてきました。
(式といっても何かするわけでもありませんが10歳の誕生日です)
人生初めての出産という一大イベントからもう10年も経つのかと、感慨深く思うとともに、
昔のことなんて、だんだん忘れていってしまうんだな〜と思うと
ちょっと寂しくもあります。
妊婦の時や出産の時どんなだったっけ?と、思い出す機会もほどんどありませんし。
これを機に少し振り返ってみたいと思いました。


妊娠時は、だんだん大きくなっていくお腹のおかげで
日常では経験できないたくさんのお困りごとやハプニングを経験してきました。
出来ないことがさらにうまくいかなくなって、気持ち的に辛いこともありました。
でも、過ぎてみればその時にしか体験できなかった貴重な思い出です。
そんな思い出を忘れてしまわないうちに、
とある車椅子ママの体験談として記録しておこうと思います。

今回は、「妊娠期の身体について」です。


とくに読んで欲しい人
・車椅子プレママさん
・そのご主人

 

体重増加の弊害

まずは体重増加。
これは妊婦さんなら車椅子に限らずあることですが、
妊婦生活をする中でとくに気を付けなければならないことでした。
あまりにも短期間に増えすぎると、母子手帳に赤線をつけられてた私。
一時は2週間のうちに2キロ増えていました。(そりゃ注意されます。)

体重が増えるとどうなるかというと。

移乗がやたら大変になります。

トイレ、お風呂、ベッド、車の座席など、
車椅子から離れなければならない場面で
「お腹が重い!」よりも先に、「体が重い!」になってしまいます。

とはいえ、妊娠とともに体質や食べ物の好みの変化によって
体重管理がままならず、私は肥えに肥えてしまいました。(笑)
検診で、乗ってびっくり体重計。

妊娠後期には、腰痛もあいまって移乗するのが困難に。

想定外の症状に悩まされる

つわりは、人によっては水分も受け付けないくらい辛い症状になりますが、
私の場合は「食べづわり」が際立っていたせいで
気分の悪さは幸いにも食べることでごまかせていました。
(だから体重増が著しかったわけで)
3回とも体調を崩すほどのつわりはなく、
それ以外の妊娠期の身体の変化は、むくみと腰痛、あばらの痛みでした。

座って生活している分、
むくみはどうしても解消しづらいと思います。
会社勤め中には、他の職員さん達にも協力してもらい、就業時間を短くしたり、
決まった時間に20分程度横になる時間と場所を職場に設けてもらいました。

家では、夫に足をマッサージしてもらっていました。
自分でやるより断然パワーがあるので、誰かにやってもらうほうがはるかに楽になります。

あばらが押し上げられて痛いな〜と思った時には、
プッシュアップしてみたり、上半身をそらしてみたり。
あまりにもしんどいときには、無理せず横になっていました。
(妊娠後期はとくに、ベッドの上で過ごす時間が長かったです)

しゅこんかん症候群?

3人目にして、初めて「手根管症候群」という謎の手首の痛みに悩まされました。

手根管症候群とは・・・・・・

手根管症候群とは、指先の感覚や手の運動に重要な役割をする正中神経が障害される結果、しびれや痛みなどの症状をきたす病気です。手首には「手根管」と呼ばれるトンネル状の形態を示す部分があり、このトンネル内には正中神経や腱けんなどが通っています。

なにかしらの原因で正中神経が圧迫されると、それによって症状が誘発されます。手根管症候群では、手首の安静が治療方法の一環であるため生活スタイルの変更が重要になりますが、ときには手術による治療も選択される病気です。
出典:手根管症候群について | メディカルノート

 

車椅子を漕いで移動するしかないのに、
大事な手首が痛いだなんて!!
妊娠中〜後期ごろから始まったその症状は、出産するまで続きました。

主治医に相談するも、
一時的なものなのでとくにこれと言って解決策を提案されるでもなく
ひたすら出産まで我慢しました。

幸い、出産後のドタバタのうちに、痛みはひいていきました。

 

排泄の感覚が鈍くなる

妊娠後期は腸や膀胱が圧迫されるせいで、排泄にはことさら悩まされました。

いつもはカテーテルからレッグバッグへ尿をためていて、
ちゃんと管を通ってくれれば蓄積されます。

なのに、なぜか漏れている。
そんなことが多かったので、厚めの尿パッドを当てていました。

普段から便秘の私が、妊娠してさらに便秘になり、
そろそろかな?とわずかな感覚すら鈍くなっているのと、移乗に時間がかかるのとで
トイレには間に合わないことが多々ありました。(泣)

自己管理が難しいことのひとつでした。

 膀胱留置カテーテルについて

私は自己導尿はしておらず、代わりにバルンカテーテルを常時使用しています。

出産に向けて変化する体の一部に「会陰」が柔らかくなります。
会陰が柔らかくなるということは、同時に尿道まわりも柔らかくなり
バルンが抜けやすくなりました。
くれぐれも(私みたいに)引っこ抜いてしまわないよう注意が必要です。

バルンにいつもより多めの水を入れて抜けにくくしたり、
漏れがひどい場合は管の太さを検討するのも良いかもしれません。

あくまで私の経験が元なので、こうすればいいということは断言できません。
気になる方は泌尿器科で相談してみてくださいね。

また、お腹が大きくなるにつれて尿道の位置が分かりづらくなります。
私は一週間に一度取り替えるタイプのものを使用していましたが、
それでもかなり煩わしかった記憶があります。

お腹に邪魔されて尿道の位置がわからない。
取り替えにかなり手間取りました。

毎日タイミングを見計らって導尿をしている人にとっては
かなり煩わしく感じるのではないかと思いました。

 

あとがき

足がむくんで象みたいな足になったり、
膝にトレイやまな板を置いていたらお腹がせり出しているので落としてぶちまけたり、
ベッドに移乗しきれずにあいだに落ちて挟まったりと
いつも通りにいかないことがたくさんありました。

 

障害の有無に関係なく、妊娠中の体は思い通りに行かないことの連続なので、
いつもは出来ていたことができていなかったり、うまく行かなかったりしても、
どうか優しく手を差し伸べてくださいね!

大変なことばかり書いてしまいましたが、全部私の体験したことです。
車椅子女性がママになると妊娠中こんなことがあるんだなあと知ってもらった上で、
心の中で準備ができるのではないかと思っています。

何より、妊娠中は子供が生まれてくるのが待ち遠しく楽しい時間でもありました。

次は、「病院選びや妊婦健診」をテーマにお話ししようと思います。