ウィルチェアファミリーチャンネル

当ブログにご訪問ありがとうございます! 【wheelchair family channel 】ウィルチェアファミリーチャンネルです。 車椅子ユーザーでも臆せずパパママになれる社会にむけての情報をメインに発信しております。当たり前ですが、車椅子ユーザーでも家庭を持って子育てができます。 少しの工夫をみんなで共有して大きな愛のある生活を手に入れませんか?

ないない尽くしを生き抜く

気づけば年の瀬、足早に駆け抜けた2021年ももうおしまいですね。
ウィルチェアファミリーにとっては限界を知る苦しい年となりましたが
受賞や新メンバーの追加など嬉しいこともありました。

新しい年が私たちにとっても
皆様にとっても、良い年となることを祈ってます。

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ご無沙汰しています。
こんな年の瀬にまた支援のエアポケットに陥り、足掻いてるのりちゃんです。

支援のエアポケットに陥りやすい性格

私の場合は性格と障害特性が紙一重
さらにそこに生育環境による要因が重なり、
『人に頼る』『人に任せる』『人を信じる』が非常に苦手です。


あなたはこんな性格ではありませんか?

・困っているという表出が苦手

・人に頼む際のやりとりや、すり合わせなどのコミュニケーションが苦手

・完璧主義で自分の思う通りに動いてもらえないとしんどさを感じる

・自分の体調や限界に気づきにくい

・人の顔色を伺ってしまう、人がどう思っているかを必要以上に気にしてしまう

・何にでも真面目になりすぎてしまう、手が抜けない


私はこの性格で支援のエアポケットに陥りやすいのですが
あなたは支援が必要になった時、
うまく周りを頼って必要な支援を獲得し、置かれた状況の中でピンチを切り抜けられますか?


手がない

先日出産し、今回も前回同様、
里帰りしない・親を呼ばない家族だけで乗り切る産後を過ごしています。


どうして親を呼ばないの?

私の実家は自宅から600キロ離れた遠方、そしてコロナ禍。
それから一般的な家庭で育った方は想像もつかないかもしれませんが
私と母は一緒に暮らした18年で
産後を素直に任せられるような信頼関係を築くことが出来ませんでした。

実母とはいえ、わが家に来てもらえば
私にとっては『お客様』。

産前産後のしんどい時期に
お客様の対応をできる気力も体力も私にはありませんでした。


ですが、手がなくとも生活は回さなければなりません。
そこで私が考えたのは、夫婦双方にヘルパーを入れること。

ですが夫婦間の話し合いで、無しになり
困り果てた私は保健師さんに相談しつつ、
今回は機械に頼ることにしました。

この辺はまた別の記事にでも。


ここは田舎、共助の世界

最も不幸だったのは、私たちが住んでいる場所が田舎であったことかもしれません。

田舎は大抵のことが共助で賄われるという性質を持っています。

親類縁者、友人、近所で相互に助け合いながら生活を賄うのが当たり前の地域では
公助へのニーズが少ないのです。

大抵の人が共助で何とかなっている状態の中には
公的支援は生まれにくいのです。

田舎で頼り手のない核家族は、マイノリティなのでした。


陣痛タクシーがない

困ったのは陣痛タクシーがなかったこと!

1人の時に産気づいたらタクシーで病院に行くつもりでいたところ、
保健師さんから「この地域のタクシー会社は陣痛妊婦は責任が持てないから断ってそうよ」と知らされました。

陣痛タクシーがあるのは隣の市で、
自宅まで頑張っても30分はかかります。

それに旦那の職場もその市にあるため、
「荷物はパパの車に積んであるし、タクシー呼ぶならパパ呼んだ方が都合がいいよね…」
と、隣市の陣痛タクシーに登録することはありませんでした。


○ネットスーパーがない

驚いたのはネットスーパーや宅配弁当の類が皆無だったことです。
もちろんウーバーもありません。

7年前、上の子の妊娠時に調べた時にはあったはずの宅配弁当すら
今回無くなっていたのは
地域での需要がなかったからでしょうね。

こうなると頼れるのは、2週間先の注文をするというハードル高めの生協と旦那だけ。

ということでまた、
冬眠前の小動物のようにせっせと産前に物を買いだめ
冷凍庫に作り置きや買い置きを貯蔵したのでした。

(産前に冷凍ストックを作り、産後は具だくさん味噌汁やスープを大量に作るとなんとかなりますよ。
最近は冷凍おかずの宅配を専門にしている業者なんかもあって便利ですよね。)

ああ、セカンド冷凍庫が欲しい!
置くとこないけどっ。


○雪かきサービスがない

目下の課題はこれ。
エルニーニョで今年も大雪……なんだけど
頼れる雪かきサービスがない!

正確にはない訳では無いのですが
世帯主に障害があって雪かきは難しいけれど、働いているという想定がなされていないのです。

玄関前のみで車庫前はダメとか、
出勤時間までの時間帯はムリとか。
わが家のニーズとサービス内容とがズレているわけです。

市役所に相談に行けばいいのでしょうが
そんな時間と余力があるなら寝たいのが本音…。

支援を勝ち取るには、心身に余裕が必要なのです。


保健師さんからは産後の雪かきは反対されましたが
場合によってはせざるを得ないだろうと思っています。


車椅子の夫に頼みにくいこと

障害故に難しいこと、できるけれどなかなか大変なことが
想像できるが故に強く言えないことも中にはあって
洗濯や買い物、お風呂掃除はお願いし辛いところ。

自分でやるしかないからやるけれども、
しんどくないわけではないのです。

特に買い物は天候が悪いこの時期は
ちょっとの買い物でも頼みにくかったり、頼んでも「すぐじゃなくていい」と言ってしまいがちですし
1回で運べる量が限られるので、必要な物の中から厳選して伝えがちになります。

必要量の全てをお願いするとなると
彼は雨や雪の中、
毎日のように買い物に行かなくてはいけなくなるでしょう。

おむつや生理用品など消耗品は残数にヒヤヒヤしながら使ったりもしていましたが
ネット通販で注文してしまった方がお互い楽なものもあります。

自分で在庫確認して必要なら買う、店で価格を見て買うのと、
これとこれとこれを買ってきて!と言うのとは
違うなぁと感じます。


だからといって赤ちゃんを旦那に預けて自分で買い物に行く体力も
産後3週間ほどはありませんでした。

「買ってくるもの言ってくれれば行くよ」
とは言われても
無理はして欲しくないなと思うからこそ遠慮してしまい、
お互いストレスになっていたかも知れません。


インターネットという新しい共助

近くで私自身が頼れるのは公的支援(今回の場合は保健師)のみでしたが、
産後の私を助けてくれた存在がありました。

それはSNSで知り合った人たち。

もちろん皆、何百キロも離れた地に住んでいて
物理的な手を貸してくれるわけではありませんが
話を聞いてくれて褒めてくれて一緒に怒ったり喜んだりしてくれます。


なんて思っていたら、
SNSの知人に送っていただいていた介護用防水シートが
破水時にとても役に立ったり、
産後も、ありがたいことにお菓子や冷凍品などが次々送られてきて
わたくし、何とか産後の1ヶ月を生き延びれました!!

あれ?SNSスマホの向こう側の関係の方々に
物理的に助けられてる!

ああ、これも新しい共助のかたち。


最後に

私のように、普段はなんとか生活を送れていても、
ほんの少しのイレギュラーによって簡単に崩れ落ちて
途端に支援難民になってしまうという人も案外多いのではないでしょうか?

「困ってからでいいや」と先送りせず
早め早めに情報だけでも得ておくこと、
いざという時すぐにサービス開始できるよう、手続きだけでも済ませておくこと、
共助ネットワークの礎づくりをしておくことを強くお勧めします。

守るべきものを守れるようにするために。

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それでは皆様、良いお年を!
来年もウィルチェアファミリーをよろしくお願いします。