ウィルチェアファミリーチャンネル

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式典で考える障害親とその家族の現状

お久しぶりです。

低浮上中ののりちゃんです。

 

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気付けば子どもも保育園を卒園し、小学生になりました。

…ということで遅くなりましたが、卒園式・入学式のことを振り返ってみますね。

 

 

大前提として、うちの子どもが通う園は

建物がバリアフリー基準を満たしている園を選びました。

 

小学校もたまたま統廃合で数年前に建て替えられ、

エレベーター・スロープ完備の学校に行くことができ、不便はありません。

 

 

保育園の卒園式

 

卒園式はコロナ禍でしたが親2人まで参加可能だったので

揃って出席できました。

 

1人は子どもの隣に一緒に座り、名前を呼ばれたら席の間を通り

真ん中の花道?まで一緒に行き卒園証書を貰う手順です。

 

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1人は後部の一般席、旦那の場所は既に決められており

旦那が子どもに付き添うのはスペースの関係上難しく、

子どもには私が付き添うしかありませんでした。

 

写真撮影は密になるからと、親は1人だけという条件。

ここでも私が入るしか選択肢はないよね、という感じでした。 

 

事前に細かくどういう流れなのかなど聞いている余裕もなかったため、

具体的配慮を考えたりお願いする時間もなかったし

旦那もそんなつもりはなかったでしょうから参加でき、

それだけで良かったのですが、

 

例えば、私が体調不良で当日欠席したら?

例えば子どもが「パパとがいいな」と思っていたら?

例えば旦那が「俺が付き添いたい」と思ったら?

 

そこに選択肢はあったでしょうか?

 

もしあなたの周りに障害のある親家族がいた時、

当然、歩けるママがやるよね!

聞こえるパパがやるよね!

見えるママがやるよね!

と、勝手に決めつけてはいませんか?

 

障害のある親家族にも、希望もあれば選択肢も必要なのです。

「障害があるから仕方ないよね?できる方法で我慢すればいいよ」は

本当にそうなのでしょうか?

 

そういう部分で、障害のある親家族はまだまだ社会に広く理解を得られていないなと

ふと感じたのでした。

 

※保育園の名誉のために書き添えますが、

 いつも色々配慮してくださるし、子どもにも親にもとても寄り添ってくださる良い園です。

 私たちも初めての経験なので、あとから「こういうところがこうだったらいいな」

 「選択肢が欲しいな」「社会の理解ってまだこうなんだな」と思ったことを書いています。

 園の対応が悪いわけではなく、いつもとても良くしてくださる園でした。

 お世話になりました。

 

小学校の入学式

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直前までコロナの関係で開催されるかわからなかった小学校の入学式ですが、

無事開催されることとなり、

子どもも従兄のお兄ちゃんに借りた晴着を着て、真新しい空のランドセルを背負い

参加することができました。

 

小学校も両親参加OKで、在校生は各クラスでのリモート参加でした。

 

事前に親が車椅子である旨は伝えてはいません。

学校見学に付き添った際に旦那も参加しているから把握はしているだろうし

そもそもバリアフリーなのは知っているので、ぶっつけで行っても何も問題はないだろうと判断しました。

 

実際のところ全く問題はありませんでした。

少子化で子どもの人数も少ないので、ごった返して身動きが取れなくなることもありませんでした。

 

驚いたのは体育館に入る前に、先生がひとり駆け寄ってこられ

「お好きな席を言ってください。椅子をお取りしますので!」

と言って、他の親と同じように座る場所を選ぶ選択肢を与えて下さったのです。

 

車椅子席が特別に用意されていることはあっても、

どこでも好きなところに場所をお作りますよと

選択肢を与えていただく経験はほとんどなかったために、びっくりしてしまいました。

 

その後の写真撮影も、遠慮する旦那をよそに

さささっと旦那が入っても違和感のないようにスペースを整えてくださり、無事に子どもも入学することができたのでした。

 

まとめ

どちらの対応がいい、どちらの対応がどうという話ではありません。

 

どちらも誠心誠意考えて下さっているのは十分に知っています。

ですがこれが、障害を持つ親とその家族が生活の中で遭遇する現状です。

 

そしてどちらもバリアフリーであり、周りの方の理解もあるという点で、

わが家のケースはかなり恵まれているのです。

 

あなたがもし障害を持ってしまったら、子どもの前で他の親と同じように扱ってほしいですか?

それとも障害があるからと特別扱いをして欲しいですか?

障害があるからきっとできないでしょう、参加できればそれでOKでしょうと決めつけられたいですか?

 

障害を持ちながら育児をしていると、

遊園地で、イベント会場で、公園で、学校や園で、ママ友との中で、スーパーで、レストランで、病院で…

ありとあらゆる場所で親としての役割を柔軟さを持たないルールやハード等の社会側の都合で奪われてしまう場面に遭遇してしまいます。

 

それはとても悲しいことで非力さを恨んだり、

なにも子どもにしてやれないと落ち込んだり

時に家庭や子どもにまで影響を与えてしまうことになるのです。

 

それは障害があるのに親になったからではなく、

明らかに社会側に、障害のある親とその家族に対し

不利益を生じさせる要因=バリアが存在するからではないでしょうか?

 

ではどうすればいいと思いますか?

 

障害のある親が存在するということ。

その本人や家族も、不利益を被っている現実があること。

 

その不利益はほんのちょっとの柔軟さや、

みなさん1人1人が「知る」ということを通して

意識を変えていくことで

少しずつ世の中にインクルージョンされていくのではないでしょうか?

 

 

世の中には障害を持って親になる人がいます。

それは何も特別なことではなく、当たり前のこと。

障害を持ちながら親になることを選ぶ人もいます。

親をやっている期間の中で、突如予期せず障害・疾病を負う人もいます。

あなたもそうなる可能性を秘めているんです。

 

特別に強い人だからそうなったわけではなく、強くなくても、特別じゃなくても

当たり前のこととして

障害者が親になる選択、障害を持っても親を続ける選択ができる社会になりますように。

(障害者だけでなく、病者や性的マイノリティ、そのほかすべての人にとってそうであってほしいですね)

 

 

以上、お久しぶりののりちゃんでした(^^)/~~~