ウィルチェアファミリーチャンネル

当ブログにご訪問ありがとうございます! 【wheelchair family channel 】ウィルチェアファミリーチャンネルです。 車椅子ユーザーでも臆せずパパママになれる社会にむけての情報をメインに発信しております。当たり前ですが、車椅子ユーザーでも家庭を持って子育てができます。 少しの工夫をみんなで共有して大きな愛のある生活を手に入れませんか?

いよいよ開始!合理的配慮義務化!

新年度がスタートし、新たなスタートを切られた方もたくさんいらっしゃることと思います。

お子さんが新入園・新入学を迎えられる皆様、おめでとうございます。

育休を終えられたみなさま、お疲れ様です。

 

もうご存知の方も多いことかと思いますが、

合理的配慮の義務化がスタートしました。

 

この4月1日から、

民間事業者に対しても合理的配慮が努力義務から、義務へと変わりました。

 

早速、自動車学校のチラシに

「合理的配慮義務化を知っていますか?障害のある方、海外からこられた方、まずはご相談ください!」

と書かれているのを見つけ、時代の変化に心躍りました。

 

この義務化の先に何があるのか、

これはあくまでも私個人の見解なのですが、

障害の社会モデルが深く広くジワジワと世の中に浸透していくのではないかと思います。

 

法律が変わり、

子どもたちはEテレで、学校で

障害の有無も含め、みんながそれぞれに違っていること、

そこには様々な理由があり、様々な方法があることを学んでいます。

 

確実に、社会の当たり前が変化してきています。

 

 

合理的配慮って何?

合理的配慮とは、

障害のある人から社会的障壁を取り除いて欲しいという意思表示があった場合に、

過度な負担とならない範囲で障壁を取り除くために必要な合理的な対応をすることです。

 

これは障害の社会モデルという考え方に基づいています。

障害の社会モデルとは、障害は個人の能力によるもの(医学モデル)ではなく

社会がその人にあった形になっていないために、その人が障害を被っているという考え方です。

社会の偏見や、建物や街が障害を持つ人の利用を想定していない作りや制度になっているなど

障害を持っていることにより社会的に排除されてしまっているために

生活に不自由さが生じていると捉えます。

 

例えば階段があったとして、

医学モデルにおいては階段を登れるようトレーニングやリハビリテーションを行い、

障害のある人の能力を改善しようとしますが、

社会モデルにおいてはユニバーサルデザインバリアフリーにより、能力に違いがあっても目的達成できる環境整備を目指します。

 

合理的配慮はこの環境整備をする上で、

双方の意見のすり合わせのために必要になります。

 

https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai_leaflet-r05.html

 

https://www.gov-online.go.jp/article/202402/entry-5611.html

 

(医学モデル・社会モデル、どちらか一方だけが正しい、片方だけに偏っていいというわけではないと思っています。)

 

 

義務化されるとどうなるの?

 

はてなのイラスト

 

私たちに関係あるの?と思われるかもしれませんが

合理的配慮義務化は障害のある人のみならず、

全ての人の生きやすさに関わってくる問題となるのではないでしょうか?

 

特にこのブログを見てくださっている、

障害のある親御さんたちがお子さんを育てていく上では、

合理的配慮は切っても切れないものなのではないでしょうか。

 

私たちもこれまで、

温泉問題、遊園地問題、保育園どうしよう問題など

障害があるがゆえに他の保護者のようにはいかず、

子どもたちに悲しい思いをさせたり、自信が残念な思いをしたり、

周りの方に図らずご迷惑をお掛けせざるをえなかったりと

 

社会で生きる上で難しい様々な問題と対峙してきましたが

合理的配慮の義務化により、事業者は障害者から要望があれば

合理的配慮を実施するための対話に望み、

双方の意見をすり合わせる義務が生じました。

 

障害のある人が

「こういうやり方を認めてもらえれば使えます。」

「これはできないので、こうしてもいいですか?」

「こうしていただけると使えるんですが、こうすることは可能ですか?」

と提案した場合、事業者は可能な範囲で応じなければなりません。

 

 

例えばこんな時…

 

例)室内遊園地で車椅子の入室を拒まれた

 

相談するイラスト

 

責任者

外で使うものですし、小さなお子さんもおられますから

車椅子のままのご利用はご遠慮下さい。

他のお子さんにも車椅子を利用されるご本人様にも危険があるのでは?

 

車椅子の親

衛生面を考慮してタイヤを拭きます。

他のお子さんにはケガのないよう細心の注意をはらいます。

 

責任者

拭いただけですと不衛生ですので、

施設にある車椅子に乗り移っていただいて

最新の注意を払っていただければ、ご利用いただけます。

 

車椅子の親

車椅子ならなんでも良いというわけではないので、施設の車椅子では難しいです。

かえって転倒のリスクや、自由に動けないことで事故に繋がる可能性があります。

自分の車椅子は自分の足のようなものです。

他のお子さんがケガをしないよう、注意します。

タイヤにタイヤカバーを付ければどうでしょう?

 

責任者

そうなんですね、それは存じ上げませんでした。

タイヤカバーを付けていただけるなら、そのままご自身の車椅子で大丈夫です。

他のお子さんもいらっしゃいますので、くれぐれも事故に注意してください。

タイヤカバーをつける際、お声かけいただければお手伝いします。

 

車椅子の親

ありがとうございます。事故のないよう気をつけて利用させていただきます。

 

合意のイラスト

 

 

あくまでもこれはひとつの例ですが

施設の責任者の考え方や人員など、親御さんの障害の程度や状態など、

お子さんの性質によっても、適した方法は変わってきます。

 

車椅子から降りていざって移動できる親御さんもおられれば、

どうしても車椅子を入れられない施設もあるかもしれません。

お子さんがやんちゃなタイプや動き回るタイプとなると状況も変わるかもしれませんし、

ヘルパーの同伴についてすり合わせが必要な場合もあるかもしれません。

 

それをその状況やその人に応じて、対話により解決していくことが

今回の合理的配慮義務化により望まれる点なのではないでしょうか?

 

※今回の合理的配慮の義務化は民間事業者に対するものであり、

公的な施設等ではすでに義務化されています。

 

 

 

○ポイント

①対話によるすり合わせの義務であるという点をおさえておく

  1. 必要とされる範囲で本来の業務に付随するものに限られること。
  2. 障害のない人との比較において、同等の機会の提供を受けるためのものであること。
  3. 事務・事業の目的・内容・機能の本質的な変更には及ばないこと。

②建設的な対話により解決することが求められる点をおさえておく

 

③過度な負担となる場合は断られる場合もある点をおさえておく

(上記の例であれば、車椅子の保護者の代わりにスタッフに子どもを見て欲しい!との申し出があり、対応困難の場合等)

 

 

 

ポイントをおさえて、しっかり対話とすり合わせをすることで

各所で大小様々な形で社会包摂が巻き起こり、

いつか障害が障害ではなくなっていく未来が来るかもしれませんね。

 

 

 

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