ウィルチェアファミリーチャンネル

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2歳になりました!車椅子ユーザーの妻が今更出産を振り返る

 

2023年ももうすぐ終わり。

わが家の暴れん坊次男もおかげさまで、無事2歳になりました。

 

どうも、車椅子ユーザーの妻、のりちゃんです。

 

 

コロナ禍不妊治療、コロナ禍出産だった次男の出産を

忘れないうちに、今更ながら振り返りたいと思います。

出産の話が苦手な方は、また来週お会いしましょう!

 

この記事が参考になるかもしれない人:

これから妊娠出産する車椅子ユーザーのパートナー

吸引分娩予定の人

コロナ禍出産を振り返りたい人

 

 

私はここで産みました

小さい足

 

夫が車椅子ユーザーで、夫以外に頼る人が近くにいないパートナーが出産する病院は

できればバリアフリーがいいですよね。

個人医院よりも総合病院や大学病院の方が対応してもらいやすいかも知れません。

ですが妊婦本人が車椅子ではないため、配慮のお願いも精神的ハードルが高いという人も…。

 

私の場合は疾患合併妊婦だったためその点は楽でした。

選択肢は総合病院か、大学病院。どちらもバリアフリーです。

長男の出産が総合病院、次男の場合が大学病院でした。

 

次男の出産は稀少病を合併していたため、総合病院では受け入れてもらえないかもしれないということで

主治医のいる大学病院での出産になりました。

 

選択肢がないというのは悩む必要がなく、私には楽でしたが

コロナ禍だった2021年、

立ち会いはおろか出産では妊婦以外は病院に立ち入れなかったため

バリアフリーじゃなくても全く問題ありませんでした。

 

これからという方は、

バリアフリーかどうか、車椅子で立ち会えるか、

出産は時間がかかることもあるので(長男の時は3日かかりました。)

車椅子の夫が立ち会い時に使える車椅子トイレやシャワーがあるかどうかなど

確認したりお願いしておくと良いかもしれませんね。

 

 

陣痛タクシーがない?!

 

次男の妊娠で初めて知ったこと。

それはこの地域をカバーしている陣痛タクシーが無いことでした。

(長男の時は誘発のため管理入院でした)

 

保健師さんに相談すると、

「普通のタクシーも出産ですっていうと断られますよ。

    で、どうするつもりです?決めておかないと。」

 

え?!

 

知り合いや親、親族がいるのが当たり前な、共助だよりの田舎では

公助が全く発展していないことを知りました。

つまり、ここでは親親戚を頼れないと子どもを産むのも困難…。

 

出産する病院からは

「この病院は経膣分娩の方は少ないんですけど、

    遠方の方は正産期になると病院近くのホテルにはいられる方もおられますよ!

    で、どうします?決めておいて、教えてください。」

 

1人目ならそれもあり。

でも、我が家にはあまり現実的ではないかな…。

 

どうします?と言われても、なるようにしかならない!

やれるようにやるしかない!

 

おっかなびっくりなだっこ

 

夫の上司の方が理解があり、

「陣痛じゃなくてもおかしいなと感じたらすぐ行ってあげればいいから」

と言って下さり、産気づいたら夫に電話をし夫が病院に運ぶということになりました。

 

(遠方から陣痛タクシーを呼ぶ方もおられるようですが、夫の会社の方が少し自宅に近かったためこうなりました。)

 

 

ですがそうなると、学校に行ってるかもしれない長男をどうしよう?

教育委員会に事情を説明し、学童保育と延長保育をお願いすることができました。

そしてその際は夫の親族に迎えとお泊まりをお願いすることにし

予め泊まり荷物も置かせてもらいました。

 

コロナ禍で夫の立ち会いができないとわかっていたため、

夜間などの長男の預け先を考えなくてよかったのは我が家にとってはよかったです。

 

ですが、できればみんなが一緒にいる時に

破水から来てくれ!と願わずには居られませんでした。

 

みなさんの地域は、陣痛タクシーはありますか?

出産時送迎予定の家族がもしダメだった場合の便り先は確保出来ていますか?

 

入院荷物どうしよう問題

 

コロナ禍の出産、病院によって対応はまちまちだったと思いますが

私の出産する大学病院は特に厳しく、

 

・出産時含め入院中の家族の院内への立ち入り禁止

・入院中の荷物の院外への持ち出しは可能、院外からの荷物の受け取りは禁止

 

コロナ禍で、病院主催の立ち会い講習や母親学級などを受ける手間は省けたのですが

退院までは家族にも会えないし、持っていった荷物が全て。

 

経膣分娩の入院期間は4日だったのですが

緊急帝王切開になることも考えて、1週間を回せる

だけど最小限の荷物を作る必要があり、これがなかなか大変でした。

私は機能ごとにカバンを分けました。

 

当時の日記

 

・分娩バッグ

・入院グッズ

・赤ちゃんグッズ

・新生児オムツ

 

入院中の分のドリンクは出産前に調達

 

赤ちゃんが産まれたら院内でもずっと目が離せなくなるため

人にお願いをする・預ける手続きをとるのが苦手な私は、

入院したら動けるうちに

4日分のドリンクを自動販売機で買いました。

 

これはコロナ禍ならではの問題かもしれませんね。

 

破水で役立つ車椅子

 

持病のため、ギリギリまで帝王切開か経膣分娩か

決まらなかった出産方法でしたが

経膣に決まりました。

 

さぁ陣痛から来たら夫を呼ぶしかないぞ!

会社から最低30分かかるんだぞ!というスリル。

 

予定日をすぎても気配なく、体もよりしんどさを増し

ヤレヤレとおもいはじめたある日、

長男が吐き気のため早退してきました。

 

なぜかその日、私のスマホではなくその日は夫の会社に連絡が入り、

突然帰宅した2人に驚いたのを覚えています。

みんなでゆっくり過ごし、その日の業も早めに終わりました。

 

幸い長男は何ともなく、メンタルだったかな?

と胸をなで下ろし眠りについた翌朝。

 

トイレに起きて、ベッドに戻った瞬間にバシャッと音がして破水しました。

夫が目を覚ましていたため、すぐに対応してくれましたが

私は全く動けませんでした。

 

病院に電話し、

長男を起こし、使い捨てベッドシーツを敷き、

もう捨てようと思っていた夫の入院用のオムツを引っ張り出してもらい履き、

それでも足りないくらい動くたびに水が流れるので、尿とりパットを当てました。

 

産褥パットなら全く足りなかったと思いますし、

病院で大量に産褥パットが必要になったため、

この時に使ってしまわなくてよかった!

 

夫のスベア車椅子に乗り支度をし、玄関に向かいました。

この時ほど、うちに車椅子があってよかった!オムツがあってよかったと思ったことはありません。

無かったらどうなってたの?

 

うちの男性陣

 

玄関で夫は長男に

「2人で戻ってくるといいけど、もう二度と会えなくなることもある。

 赤ちゃんを産むってそういうことなんだよ。だから一緒に写真を撮ってから行くよ。」

と言って、玄関で長男と私の写真を撮りました。

 

病院に向かう車内では陣痛は来ず、

朝日がキレイで、虹が空にかかっていました。

 

そして夫は焦っていたのか、降りる予定のバイパスをスルー。

「あれ?過ぎた…?」

「あ!!」

 

NA・N・DE・YA・NE・N!!

 

焦る時こそ、皆様運転気を付けて。

 

経産婦は早い?!まさかの出産劇

 

大量の荷物を持って夫たちと別れ、エレベーターに乗り産科へ。

診察していただき入院決定。PCRを受けました。

 

助産師さんから、

個室が空いてるからどう?個室の方がいいんじゃない?と聞かれ、

(私の障害特性が理由です。)

空いてるならとお願いしました。

 

産後、脳がかなり過敏になってしんどかったため、

ここで個室を勧めてもらえて良かったです。

 

助産師さんたちに

「夜には産まれてるわよ」

「2人目だから早いわよ」

「経産婦さんだから陣痛ついたら早いからね」

「経産婦さんは30分で産む人もいるから」

と言われるも、全く進みません。

 

2人目は早いは人による!!人によります!!

 

陣痛がつくように色々やりましたがなかなか来ず。

来てもなかなか強まらず、真夜中にようやく分娩室に呼ばれました。

ほんの数十メートルの合間にも陣痛が来て、蹲りながらの分娩室は遠かった。

 

夜のうちに産まれると、みなが思っていたのに

陣痛MAXのまま朝を迎えました。

 

長男の出産では「こんなに静かで冷静な出産見たことない!」と言われた私でしたが

マスクが張り付き息ができなくなり、パニック。

陣痛とは違うよく分からない激痛がはじまり、パニック。

メソメソ泣いてしまい、自分にびっくり。

 

マスク出産は本当にキツかった…。

 

入れ代わり立ち代わり出入りする助産師さんたちの会話も段々

「まだ微弱陣痛なの?」

「ここまできてこんなに長引く?」

「ドクターまだ来ないよね。促進剤入れてあげないと体力が…」

「ここが引っかかって出ないの。開いてるし降りてるのに」

 

不安も相俟って心が折れて、涙が止まらない。こわくてたまらない。

夜が明けても微弱陣痛は続きます。

朝になり様子を見に来た早番ドクターから促進剤の指示が出て

点滴開始となりましたが、微弱陣痛のまま。

 

赤ちゃんが苦しくなってきていると言われて、酸素マスクを装着。

「赤ちゃん苦しいなら切ってください」

と言うもここまで降りてきてるから下から産みます!と言われ

さらに不安に包まれます。

 

突然数人のドクターや助産師さんたちがバタバタと入ってきて、

5人人以上の医療者が分娩室にいたと思います。

 

摘便され導尿され

「押しながら吸引します。10分で産ませるから大丈夫!よっしゃ、いきます。」

 

1人のドクターが私の上に馬乗りになり、陣痛にあわせてお腹を押します。

時間の目処がついたことで、かなりホッとしました。

下からは吸引カップで吸引され、何度目かで次男は産まれました。

 

吸引分娩などは医療保険が降りる場合もあるようなので

ご加入の保険を出産前に確認しておくとスムーズです。

 

ほっとしたのも束の間、

後産が上手くいかず、胎盤を剥がすために苦労していました。

 

ホルモン補充周期で移植したベビーの出産では多いと言われましたが

産めば陣痛はピタリと止むし

赤ちゃんが元気に泣いていたので、不安はありませんでした。

 

手を入れて胎盤を引き剥がし、大量に出血したようでしたが

後産が終わると、助産師さんが手持ちのスマホで赤ちゃんの写真を撮ってくださり、

胸に赤ちゃんを抱かせてくださいました。

吸引でしたが頭は伸びませんでした。

 

30分で産めるかもね~!なんて話も虚しく、

2人目出産はまさかの15時間。

 

燃え尽きて気を失いそうでしたが、

助産師さんから「家族に報告した?」と聞かれ、

慌てて夫に報告のLINEしました。

 

命が生まれたのか消えたのかも分からず、

一晩自宅で待つしかない状況って、

どんな感じなんでしょうね?

 

夫が次男に初めて会ったのは4日後の退院日。

 

担当の助産師さんが

「お母さん!あなたはもっと人を頼って!あなたは静かにがんばるから誰も気づけないの!もっと頼って。」

と言いながら、私の荷物を抱えて一緒に車まで来てくれました。

 

 

次男育児で気づいたこと

長男の育児経験から育児の勝手を学んだ夫。

 

バリアフリーではない場所での長男の行事もたくさんあり、

必然的に次男を夫にまかせるシーンも多くなります。

 

私も体調不良や心が折れることも多くなり、

夫は次男育児では新生児期から

メキメキとあれもこれもできるようになりました。

 

「車椅子だからできないかもしれない」という不安は

「できないに違いない」になり、

「私がやるしかない」「ママがやった方が早いよね」

に、繋がってしまっていました。

 

それは夫の自信を奪い、私の負担になっていました。

それをトントンと均してくれた次男育児です。

 

子どもを望む望まない、

2人目を望む望まない、

諦める諦めない、

選択は夫婦それぞれでいいし

夫婦ごとに異なると思います。

 

帰宅後すぐベッド上で風呂上がりの次男の着替え

 

ただ、私たちには

長男と全くタイプの違う次男を

2人で育てる経験が必要だったように思います。

 

 

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参考までに

 

使えた育児用品

・夫手製のベビーベッド

 長男育児で作ったチェンジングテーブルにベビーサークルを載せたもの。

2歳の今もオムツ交換に利用しています。

 

・湯上りマット

   両側に取っ手がついており、お風呂上がりに夫の足の上にそれを敷き、くるむようにしてベッドまで連れていき、着替えさせました。

 

ファルシカのベビーチェア

下に足が入るため、離乳食をあげたり乗せ降ろしがしやすかったです。

 

・ベビーバス

足の間に置いて、前傾で夫が沐浴してくれました。

 

・バギー

先日ベビーカーが壊れ、

まだそこまで長くは歩けないしもう少し載せたいけど、

パパの膝にはあまり乗らないため、安価で片手でも押せそうな軽さのものを購入しました。

 

・インサートの要らない抱っこ紐

2ヶ月から長男の送迎や買い物をしていたため、

サッと着けれるタイプの抱っこ紐は重宝しました。

メルカ○で数千円のものを買いましたがしばらくしか使わなかったので

十分でした。

 

 

使わなかった育児用品

・ハイローチェア

長男のものが移動させにくいもので、次男用を新しいものを買おうと言っていましたが

使わなくてもなんとかなりました。

 

・ベビーサークル

置く場所がありませんでした。

 

・おしりふきウォーマー

そんな余裕がありませんでした。

 

・バンボ

逃げ出し出番無し

 

・チェアベル

コロナ禍で外食機会も少なく、

パパの膝にも乗らない赤ちゃんだったため不要でした。

 

・迷子リード 

なくても近所の散歩くらいなら大丈夫でした。