長い長い不妊治療という先の見えないトンネルを
抜けた途端に始まった妊婦生活!!
その中で私がどうしよう……
と思ったこと、その解決方法を紹介したいと思います。
※あくまでも個人の体験談です。
障害の部位や残存機能の違い、家庭の環境等により異なりますので
くれぐれも真似されませんよう参考程度の認識でお願いいたします。
- ✓どこで産もう?こだわったのはバリアフリー
- ✓雪かきどうしよう?暖冬に感謝!!
- ✓タイヤ交換どうしよう?思わぬ助っ人!!
- ✓チャイルドシートどうしよう?物は使いよう
- ✓ベビーグッズどうしよう?
- ✓あれ?わが家大丈夫?繋がりを作ろう!
- ✓米、どうしよう?頼れるアイツ
- ✓電球交換どうしよう?やるしかない?!
- ✓妊婦健診に付き添えるのか?心配することではなかったようだ
- ✓パパママ学級は?
- ✓旦那、ひとりで大丈夫?
- ✓立ち合い出産はできる?
- ✓産後は一体どうなるの?
- まとめ
✓どこで産もう?こだわったのはバリアフリー
妊娠してすぐに考えなくてはいけなかったのが、どこで産むかでした。
「8週までにどこで産むか決めてきてくださいね~。」
とは言われても、ようやく妊娠がわかったばかりでまだ右も左もわかりません。
不妊治療のホルモン注射で通いなれた産院で産みたかったんですが
エレベーターはなし。
10センチの段差とすのこがある玄関。
靴を脱いで入るタイプの産院でした。
産まれても1人で会いに来れないよなー。
それは色々困るよなー。
そもそも立ち会いたいかもしれないし…。
陣痛中に介助するのは無理だしな。
もう一軒近くに産院があり、そちらはどうか?
ホームページを隅から隅まで見ましたが
院内見取り図にはエレベーターなし。
何?!なんなの?
産婦人科はエレベーターなしが主流なの?!
残るは総合病院のみです。
総合病院なら、間違いなくエレベーター完備で段差もありません。
なんなら車椅子駐車場も完備です。車椅子トイレだってあります。
私がハイリスク要因を持っていることもあって、
結局、選ぶまでもなくドクターのおススメは総合病院。
周産期センターのある総合病院で産むことになりました。
なぜ旦那が産む訳でもないのにバリアフリーにこだわったか?
父親として当たりまえに
色んな経験をできる(選び取れる)という選択肢が欲しかったからです。
✓雪かきどうしよう?暖冬に感謝!!
胚移植をしたのは秋から冬に変わりつつある11月のことでした。
2日前に雪がちらつき、
「重たいものを持つ作業は胚移植前にしておきたいから!」
と前夜に慌てて車のタイヤ交換を済ませて挑んだ胚移植。
わが家は雪国。
冬になると毎朝のように雪かきが必要になります。
それも水分を含んだり凍ったりした、重たい圧雪。
旦那も車椅子で雪かきをしますが、車椅子でスノーダンプは使えないし
立地的に除雪機も役に立ちません。
雪かきをどうしようか……
これは本当に悩みました。
福祉の雪のけサービスもありますが
旦那が仕事へ行く前の時間に来てくれるかというと
そうではありません。
結論が出ないまま妊娠が判明し、気づいたころには冬が終わっていました。
なんとラッキーなことに
その年は暖冬で雪かきは1度か2度、少しの雪かきで済みました。
✓タイヤ交換どうしよう?思わぬ助っ人!!
冬タイヤへの交換は胚移植前に済ませていましたが、忘れていました。
春になったらまたタイヤ交換があることを…。
さて再びタイヤ交換の時期です。
交換はタイヤショップやGSに外注するにしても、
タイヤを車まで運び、車に乗せたり下ろしたりする作業はしなくてはなりません。
ようやくつわりがおさまり始めたばかりで、まだサクサクとは動けません。
お腹の赤ちゃんが気になって、2台分あるタイヤ運びも気が引けます。
また1人で悩んでいたら
突然義父母が現れて、交換して去っていきました。
交換し終え、颯爽と帰っていく後ろ姿はめちゃくちゃ輝いていました。
※子どもが生まれたあと台車を買ったことで
旦那でも無理すればタイヤを運べるようになりました。
赤ちゃんをベビーカーに乗せてハラハラしながらタイヤ交換した話もありますが
それはまた別の機会にw
✓チャイルドシートどうしよう?物は使いよう
不妊治療で喪失体験を繰り返してきたせいか、
この子もいとも簡単に、流産や死産をするんじゃないかと強い不安を感じていました。
それでギリギリまでベビーグッズが買えませんでした。
1歳をすぎる頃までは、いついなくなるか分からない命だと思いヒヤヒヤしていました。
ようやくベビーグッズを揃え始めた頃には既にお腹は大きくなっていて、
チャイルドシートを買ったはいいけど誰が運ぶの?という状態。
新生児用のチャイルドシートはかなりの重さがあります。
妊婦と車椅子ユーザーのみのわが家……
どうやって車まで運ぶ?
どうやって取り付ける?
ふと、旦那が思いつきました。
「これに載せれない?」
持ってきたのは車椅子!!
2人で車椅子に載せれば、1人あたりにかかる重さは半分。
せぇの!でも持ち上げてもお腹は張らず、
キレイにチャイルドシートは車椅子に座りました。
(いい写真がなかった)
押さえながら車に運び、何とか座席に座らせたはいいけれど
私には、取り付け方がわからない。
車椅子に座る旦那からは手が届かず、その時初めて気づいたのです。
車椅子に座ったまま
赤ちゃんをチャイルドシートに乗せるのは
不可能だ!!!
まぁそれでも取り付けないわけにはいきません。
普段はトランスを頑なに嫌がる旦那ですが
この時ばかりは後部座席にトランスして、取り付けてくれました。
✓ベビーグッズどうしよう?
ベビーグッズをおそるおそるそろえ始めたのは妊娠7か月を過ぎてからでした。
いざ、買い始めると…
はて?車椅子で抱っこ紐は使えるのか?
オムツ交換はどうする?
ベビーベッドは?
ベビーラックは…バウンサーは…あれは?これは?いる???
調べても車椅子ユーザーの育児の話はほとんど出てきません。
旦那と同じ程度のADLの人の情報は全く出てきませんでした。
仕方がない。
とにかくやってみるしかない!!
必要になったらその都度買い足してみればいい。
そう腹を括りました。
この辺りについては、また詳しく書ければいいなと思っています。
✓あれ?わが家大丈夫?繋がりを作ろう!
妊娠が進むにつれ、不安が募りはじめました。
もし出産時に私が死んだら?もし、妊娠中もしくは産後に旦那が死んだら?
あれ?ほんとに大丈夫なのかな?!やばくない?
そう思い、支援員さんに相談したところ
使える支援がないか調べてくださいましたが、
私に選べそうな支援はファミサポと地域のお助けサークルのようなものくらいでした。
ですが、ここで保健師さんと繋がれたことは、のちのち育児をしていく上で
保育園や支援センター・ファミサポと繋がることができる切っ掛けとなり
とても良い方向に働きました。
あの時外部にHELPを出した自分、グッジョブ!!
✓米、どうしよう?頼れるアイツ
妊娠期間中に米もなくなるわけですが、わが家は義実家からお米を貰っています。
…が、農家のお米って単位が1袋30キロ!!なんですよ。
妊婦に30キロの米袋は大変…。
義父が15キロずつに分けてはくれるんですが、重い。
何せ重い。
車から家の中に運び入れるのが大変で…
ここでも車椅子が活躍してくれました。
✓電球交換どうしよう?やるしかない?!
電球交換は私の仕事なんですが、妊娠中は脚立に上がるのも慎重になってしまいます。
ですが、そんなことはお構いなしに電球は切れました。
そのためだけに誰かを呼ぶのも気が引けるし、今困っているんだから
今替えるしかありません。
ということで、旦那に脚立を押さえてもらい交換しました。
誰かに頼めるなら、絶対そのほうが安心です。
✓妊婦健診に付き添えるのか?心配することではなかったようだ
妊婦健診は妊娠初期は経腟エコー、中期ごろから経腹エコーだったように思います。
妊婦健診、車椅子でも付き添えるのかなぁ??
そう思いながら周りを見渡していました。
私が通った病院は、ベッドとベッドの間隔や込み具合・その他諸々を見ても
待合室が少し狭い点を除けば、おそらく付き添えると思います。
というのも、結局休みが取れず
1度も健診に旦那が付き添うことはなかったから
実際に来たらどうなったかはわかりません。
(通院や体調不良で頻繁に有休をとるので、それ以外のことで休みを取るのが非常に難しい)
妊婦健診って体重・尿検査・血圧が必ずセットになると思うんですが
車椅子の妊婦さんの場合、体重と尿検査ってなかなか大変じゃないのかな?
どうやるんだろう??
✓パパママ学級は?
市のパパママ学級の案内は来ましたが、何をやるのか情報量が少なすぎて
コワイと感じてしまい、結局行くことはありませんでしたが
病院の両親学級は夫婦で参加しました。
これは立ち合い希望のご主人は参加必須のものでした。
講義形式で、話を聞いてDVDを見て感想を言い合うみたいなものでした。
旦那が思っていた、沐浴練習とか妊婦体験みたいなのとは違ったのですが
車椅子でも問題なく参加できました。
沐浴練習だの、妊婦体験だのパパママ学級を経験された方
どんなでしたか?
もし可能なら、車椅子のパパとどう赤ちゃんを沐浴させるか!?など
助産師さんと考えることができたらいいのかな?と思います。
✓旦那、ひとりで大丈夫?
普通に何のトラブルもなく出産したとして、最近は入院何日なんでしょうね?
私の時は出産に3日、その後7日間の計10日間の入院になりました。
当時でも3日で退院と言っておられるプレママ仲間もおられたんで、
この辺は病院によって大きな開きがありそうですね。
里帰りするとしたらもっと長い期間、車椅子のご主人がおうちに1人きりになることになります。
わが家は一応旦那が自力で暮らせる仕様になっています。
が、洗剤や鍋やハンガーやそうしたものは旦那の手の届くところには普段おいていません。
生産期頃にはそれらの一部を取れる位置に移動させておきましたが…
デカいお腹抱えて、低い位置のものを使い辛いのなんの!!
可能なものは買い置きや予備を車椅子の手の届く位置に保管しておくのがいいかもしれません。
届かないものは、安いものなら自分で買ってもらうのも手ですよね。
だって、陣痛が来てからあれもこれも準備なんてできませんからね!
幸い?わが子は予定日2週間近く過ぎても全く出てこず、
「〇日に入院してください!」と言われたので、準備ができました(;^ω^)
これは脊損関係ないんですが、困ったことに生活家電の使い方を知らなかった旦那!!
洗濯機、炊飯器などの使い方を書いておかなければなりませんでした。
✓立ち合い出産はできる?
特に話し合ったわけでもなく立ち合い出産するんでしょ?とお互い何となく思っていましたが、なぜか当然いけるやろ!と思い、
特に病院側に「主人が車椅子なんですが立ち合いできますか?」みたいな相談はしませんでした。
(病院側は旦那が車椅子だということは知っていましたよ。)
ですが、出産は長丁場になることもあります。
事前に付き添うご主人のことを相談されておけば安心かもしれません。
なぜなら私の出産は3日掛かりでした!!
立ち合い出産をしたわが家。
旦那もその間、ほとんどずっと付き添っていたからです。
脊髄損傷の旦那が3日間も付き添うとなると、なかなか大変でした(お互い)
立ち合い出産の話は、忘れなければまた別の記事に!!
✓産後は一体どうなるの?
調べても全くわからなかったのは産後のこと。産後の自分がどうなるのかがわからないので、策の立てようがありません。
私は産後、里帰りすることも親が来ることもなく
全くの夫婦2人きりでした。
念のために保健師さんに勧められた助け合いサービスに登録し、ファミサポにも事前登録し、冷凍庫も作り置きでパンパンにして
買い物は旦那に頼むことにして、安いロボット掃除機も購入し挑みましたが
準備しておいてよかったです。
何よりも、産後の食事を用意しておいてよかった!!
赤ちゃんは朝夕問わずに寝たり起きたりを繰り返しますし
置いたら起きるので、ずっと抱っこしてなくてはなりませんでした。
暇はあるのに手が空きません…。
ご飯が作れないんです。特に他に誰も見ててくれる人のいないお昼。
自分のお昼ごはん!!
授乳期はジャンクなものを食べるとすぐにおっぱいが詰まります。
ちゃんとしたものを食べないといけないんですが作れません。
助けてくれたのは妊娠中の自分の作り置きでした。
次に大変だったのは沐浴でした。
産後は関節、特に股関節や骨盤周りが緩んでしまっていて痛かったんですが
新生児期の沐浴は両手を使うので、片手で体を支えないと倒れてしまう旦那には難しく
できるのが自分だけ。
季節は真夏。
毎日入れてやらないと湿疹ができてしまいます。
この子は私が頑張らないとお風呂に入れないのか…。私しかいないのか…。
辛かったです。めちゃくちゃ!
助け合いサービスに相談しましたが、代わりに沐浴させるというのは法律的にアウトだから手が出せないという話でした。
1か月が経つ頃には随分子どもの体もしっかりしてきたし、私もついに限界を迎え
私が子どもを保持する役。旦那が洗う役に分かれてお風呂に入れるようになりました。
まとめ
妊娠出産を通して私が感じたのはこちら。
必要なのは周囲の理解と、いざというとき頼れる手。
それから車椅子ユーザーの育児の情報!!
みなさんは想像できますか?
もしも自分の旦那が車椅子だったら、奥さんが車椅子だったら
一体どうやって乗り切ればいいのか。
私もいざその時になってみないと、一体どうなるのか・どうしていいのか
想像もつきませんでした。
ですが全面的に頼れる人もいなかったので、自分たちで都度考えて乗り切るしかありませんでした。
きっと頼れる手があれば、随分違っていたことでしょう。
これまで私が出会ってきた車椅子ユーザーの奥さんは
「私が頑張るしかないから」「私が頑張ればなんとかなるから」と
無理をする方が多いように感じています。
ですが無理をして、妻が壊れてしまっては
困るのは車椅子のご主人と子ども達。
どうか手を差し伸べてください。
「あなたは強いから大丈夫よね」「わかってて子ども作ったんでしょ?」と突き放さずに、
あなたの周りに車椅子親家庭があったとしたら、どうか気にかけてください。
育児も家庭運営も介助も、妻一人では成り立ちません。
もちろんこなせる人もたくさんいます。
ですが、皆が一様に"できる"わけではないのです。
『車椅子ユーザーが父親になれる選択肢』
その可能性を広げるのは
あなたがまず、知ってくれることから始まるのかもしれません。