ウィルチェアファミリーチャンネル

当ブログにご訪問ありがとうございます! 【wheelchair family channel 】ウィルチェアファミリーチャンネルです。 車椅子ユーザーでも臆せずパパママになれる社会にむけての情報をメインに発信しております。当たり前ですが、車椅子ユーザーでも家庭を持って子育てができます。 少しの工夫をみんなで共有して大きな愛のある生活を手に入れませんか?

あやちゃんちの不妊治療~採卵ver.~

こんばんわ、あやちゃんです。

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夫がこの世を去り、来月で2年が経ちます。

この2年あっという間でした。夫が居なくなった日からずっと全力疾走。

自分の気持ちに蓋をして、夫との日々をあえて振り返らないようにしていた気がします。

コロナに罹患し、家中を片付け不用品を思い切って捨てたり売ったりしました。

なんとなく気持ちにスペースが出来て、色々な事に向き合う準備が出来た気がします。

 

採精の話を書いていて、死後辛かった事のトップ3に入るのが凍結精子の保存延長が出来なかった事だなと思いました。

夫の遺伝子は同意がなければこの世には残せない。

夫は死んだって事を突き付けられましたね。

 

こうして夫と歩んだ道を振り返ったり、辛かった気持ちを綴る事が気持ちの整理になっている気がします。もう少しお付き合いください。

 

本日は採卵、採卵後副作用のお話。

 

大学病院での治療開始

不妊治療はタイミング療法、排卵誘発、人工授精、体外受精とステップアップしていくイメージがありますが、私たち夫婦には最初から顕微授精(ICSI)の選択しかありませんでした。

体外授精は精子卵子を体の外に取り出し授精させ、培養して発育した受精卵を子宮に戻す事。顕微授精はそこに顕微鏡下で卵子に操作を加えて授精を助ける方法。

何度もTESEを繰り返せるわけではないので、限りある精子を大切に治療を進めるため、少しでも妊娠率が高い方法を選択していきました。

 

大学病院では不妊治療を始める前に、夫婦で不妊学級を受ける決まりがありました。

受けることでどちらかが頑張る不妊治療ではなく、夫婦で一緒に不妊治療をするという意識改革になりそうだなと感じました。

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卵巣刺激方法(卵子を育てる方法)

卵巣刺激の方法はウルトラロング法、ロング法、ショート法、アンタゴニスト法、自然周期法、中刺激・低刺激法など様々な方法があります。

私はその中のロング法で治療を行いました。

ロング法の流れ(あくまで私の場合。病院でしっかり説明してくれます)

①生理が開始したら受診、治療スケジュールの確認。次回いつごろ受診して下さいとちゃんと教えてくれる。

②超音波で高温層を確認したらGnRHアゴニスト投与(通っていた大学病院はリュープロレリンという皮下注射採用、点鼻薬を使用する病院もあります)

③次回いつ頃受診してと言われるので、その日に受診し超音波でアゴニストの効果を確認し、FSHを開始。FSHを投与する事で多数の卵子を育てることができます。

FSHは皮下注射で自己注射はちょっと・・・という方は毎日通院、自己注射可能な方は自己注射といった感じ。(当時費用は自己注射の方が高かった)

私は自己注射を選択し、ゴナールエフペンという注射を約10日ほど自己注射したような記憶があります。

④指示された日数皮下注射し受診、超音波で卵子の育ちを確認。

⑤育ちが十分であればhCGを注射。(注射時間が採卵の時間に左右される。10時採卵予定だったので、前日22時に病院へ行って注射してもらった)

⑥翌日、採卵

⑦黄体ホルモン補充

胚移植

⑨採卵14日後に妊娠反応確認

 

だいたいの流れはこんな感じ。

 

何が大変だったって、通院時間の確保。当時は3交代をしていたので、深夜明けや準夜前に隣県まで通院してました。これ変則勤務だから出来る荒業だけど、平日勤務しかない方・・・負担大きいよね。

不妊治療が保険適応となった今、通院への理解はもっともっと必要だと感じます。

 

採卵当日

予約時間に受診し、

・点滴開始

・鎮痛剤の座薬を入れる

・呼ばれたら内診台に上がり、局所麻酔を行い採卵

という流れ。

 

めっちゃくちゃ緊張して、お腹下して入れた座薬は即出ました 笑

座薬出ちゃった事は言えませんでした・・・笑

 

右の卵巣から局所麻酔し、採卵開始。

局所麻酔の注射が少し痛いくらいで、内心超採卵余裕じゃん!!と思った私でしたが・・・

左卵巣からの採卵がめちゃくちゃ痛かった。

両足力んで突っ張ってても痛くて、将来の子どものためと呪文のように繰り返して耐えました。

採卵後も痛みは治まらず、鎮痛剤を投与して貰いましたが、今度はその鎮痛剤に負けて吐く。

余裕とか思ってすいませんでしたぁあああ、許してえええってなりましたね、ええ。

先生が言うには左卵巣の位置が悪かったそうな。

なのでこれから採卵する方!

痛みにも個人差があります、痛くない人もいれば、痛い人も。

その時にならないとわからないので、あまり心配せずに挑んで下さい(←あまりフォローになってないね)

 

21個の卵ちゃんを採卵する事が出来ました。

最終的に授精し、胚盤胞に到達できたのは4つ。

採卵後、OHSSを発症したため胚移植は行わず、全て凍結保存して貰いました。

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奇跡的に治療予定書いた、病状説明用紙が出てきたので、記録がてらペタリ。

こんな感じでスケジュール分かりやすく説明してくれる。

 

OHSS発症、入院

OHSS(卵巣過剰刺激症候群):採卵後卵巣が腫れ、腹水が溜まり、血栓症を引き起こす事もある。腹部の張り、嘔気、喉が渇く、尿量減少が主な自覚症状。

 

採卵後も痛みは持続し、ものの数日でお腹がパンパンに膨れ上がり、飲食できなくなりました。仕事などできず、欠勤・・・。フラットなベッドでは息苦しくて眠れず、上半身を起こしてないと過ごせない日々が始まりました。

もうだめだと思って受診した時には、腹水が貯留し、尿量は約200mL/日になってました。

生理がくると腹水は自然と引く事が多いとの事で、血栓予防しながら2週間ほど入院しました。

とはいえ、入院中にした事は毎日体重測定、尿量測定、弾性ストッキング着用、補液と吐き気止めくらい。

 

生理が来たら嘘のように治まりました。

 

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よって胚移植は2回生理が来るまで見送りました。

次回であやちゃんの不妊治療は最終回です。

 

振り返ってみると、身体的にもスケジュール的にもがんばった採卵。

今、夫が健在だったら私は2人目を望むだろうか。

またこの治療をするのだろうか、と考えてみた。

 

やっぱり私は治療すると思う。2人目を望むと思う。

それだけ子を望む気持は人を動かす力があると思うんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あやちゃんちの不妊治療~Micro TESE~ver.

 

お久しぶりです、あやちゃんです。

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育休から仕事復帰し、時は流れ、現在コロナに罹患し自宅療養中です。

娘と共にコロナになりましたが、幸い娘は無症状。

私は発熱、咽頭痛、鼻詰まり、鼻詰まり、鼻詰まり、鼻水鼻水鼻水といった感じです。

雪国に生まれ、コロナでも待ったなしの雪の量。

設計ミスったバリアフリーハウスの雪かきにヒーヒー言ってます。

高齢者の雪かき支援はあっても、障害者やシングルマザーの雪かき支援はないんだなと絶望してます。

あってもイイヨネ。マジキツイもん。

雪国でバリアフリーハウスを建てる際は、雪かきを楽にする事をオススメします。

(なんも考えないで建てると、毎年冬泣く羽目になる)

さて今日は私たち夫婦の不妊治療について少し触れたいと思います。

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不妊治療の決意

私たち夫婦は、プロポーズされOKしたその日に子ども欲しいね!

次の受診で主治医に相談しよう!という流れになりました。

当時、夫は地元の総合病院へ定期的に通っていました。

次の受診時に私も一緒に行き、結婚の報告と、不妊治療の相談に行くことにしました。

受診日、めちゃくちゃ緊張していた私たち夫婦。

呼ばれて、診察室に入り、超口下手夫が主治医に向かって…

夫:「あの、結婚しました、嫁です。子ども欲しいなと思って」

主治医:「おめでとうございます。不妊治療ですね。ここの病院だと出来ないから、大学に紹介状書きますね~」

私:(旦那の紹介雑だな、やっぱ大学病院か、一緒に受診する必要なかったような…)

 

というわけで、後日隣県の大学病院へ行くことになりました( ఠ‿ఠ )

 

大学病院へ

別日に大学病院の産婦人科へ紹介状を持って受診。

不妊治療担当医に言われたことは

「旦那さんは自然に射精できません。電気刺激による射精も望めません。SimpleTESEかmicroTESEになります。簡単に言うとSimpleTESEは目で見て精子を取ってくる場所を決めます。microTESEは顕微鏡で精子がいそうな所を選んで精子を採取します。こっちのほうが精子の回収率は上がりますが、何回もできるものではないし、費用は上がります。micro-TESEはここでできないので希望でしたら該当の病院を紹介します。不妊治療は全額自費になります(当時)。子どもはいなくても生命には関わらないので。お二人で話し合ってどちらで採精するか決めて、答えが出たらまた受診してください」でした。

子どもは居なくても生命には関わらない。なかなかグサリと刺さりましたね。

帰宅後、夫と話し合い

やっぱり子どもが欲しい、チャレンジしないで諦めたくない。

どうせ玉切るなら確率高いほうで切りたい・・・

という夫の希望もあり、micro-TESEの道を選びました。

 

後日、大学病院を受診し再度紹介状を依頼しました。

 

宮城県仙台市 かんとうクリニック

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私たちが選択したのは宮城県仙台市にあるかんとうクリニックでした。

遠方である事を配慮し、術前・術当日・翌日・1か月後診察の4回の通院にしてくれました。

大学病院でも、実績のある病院だよと推してくれた病院。

先生は穏やかで優しく、担当してくれた看護師はキビキビハキハキした中にも優しさのある方でした。

 

術前受診の内容は採血、心電図、術前オリエンテーションといった感じ。

 

術当日は指定された時間に受診し、夫は点滴をし手術室の中へさようなら~。

(めちゃくちゃ緊張してたし怖がってたけど、当たり前だけど痛みは全く分からず、余裕だったそうな。術中は自分の好きな曲流してもらってた)

私は精子いるか、いないか心配でそわそわしながら待ってました。

先生より先に看護師が「いたよ!ちゃんと精子いたよ!!」って教えに来てくれた時は号泣。

もし精子がいなかったらなんて夫に声をかけたらいいんだろう。特別養子縁組も考えてるけど、夫は受け入れてくれるだろうか…と、手術まで毎日考えていたから。

 

手術室から出てきた夫の顔には笑顔があったと思う。

そのあと2人で顕微鏡下で動く精子を見せてもらった。

看護師が「これが将来の娘か息子になるんだよ。旦那さんにどっち欲しいか聞いたら、女の子だって」と横で話していた記憶があります。

 

夫は普段から尿漏れがあり、創部感染のリスクを考慮し、翌日まで膀胱留置カテーテルを挿入し、翌日の創部状態を見て抜くか決める事になりました。

無事、翌日の診察で抜け、1ヶ月後の診察でも感染等のトラブルなくかんとうクリニックは卒業となりました。

 

採精後の治療は大学病院で継続するため、郵送していただきました。

いつか妊娠・出産の報告をしたいなと思いながらできていない私なのでした。

 

東北で治療に悩んでいる方の一つの選択肢になればと思い、今回は病院名を出させていただきまた。気になった方は、病院のホームページを検索していただければと思います。

 

この場を借りて、かんとうクリニックの先生、スタッフの方々お世話になりました!!無事、娘が誕生しております。感謝申し上げます。

 

不妊治療の料金

私たちが不妊治療を始めたときは、まだ保険適応ではありませんでした。

助成金の申請をして1/3戻ってくるかな、というくらい。

この当時で、micro-TESEは43万くらいだった記憶があります。

(病院によってめちゃくちゃ差あり)

R4年4月から不妊治療が保険適応になりました。

43万だとすると12万の支払いということ。

それでも、不妊治療にかかる金額は大きいですが、保険適応になったことは大きな1歩だと思います。

 

不妊治療でも、障害でも、壁になっていることは何なのか。

声にする事って大事。

 

そして・・・

今回は採精について書きました。

精子は障害受傷後年数が経つほど質が低下し、回収が難しくなっていきます。

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とうちの夫が申しております。

Wheelchairfamilyの我らがのりちゃんも繰り返し訴えております!!

 

 

 

では、また。

あやちゃんでした。

 

 

 

 

 

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。

今年は形に残る活動をしていければいいなと考えています。

本年もよろしくお願いいたします。

 

 

お陰様で先日、次男が1歳を迎えることができました。

 

実際の赤ちゃんを育児してるなら

もっと情報が出せるだろうと思いきや、

慣れない2人育児に

日々バタバタだった0歳代。

 

1歳代はもっとゆったりできるのか?

はたまた自我が芽生えてバタバタするのか?!

早くも走り回り、よじ登り、ケガの絶えない次男です。

 

 

マイペースですが、

夫が車椅子の家庭の一事例として

不妊治療、妊娠出産の話などなど

整理して今後出せればいいなと思っています。

 

Instagramでも

個人的に情報発信をしていますので

ご興味ある方は覗いて見てください。

(ウィルチェアファミリーの活動とは関係ありません)

 

https://www.instagram.com/kobutadayo6

 

 

 

 

車椅子ユーザーの妻が、雪国の冬に思うこと

大雪に見舞われた新潟県からこんにちは。

のりちゃんです。

買い物に行こうと思ったら背中で次男が眠ってしまったので

今のうちに書こうと思います。

 

 

12月にしては珍しい大雪で、首を傾げながら雪かきに追われていたのですが

今回は朝、

「私は雪かきに行きます。あなたは子どもをお願いします。その方が効率がいい!」

と宣言して1人雪かきにでたら、きつかったけれど

いらぬモヤモヤを抱えずに済みました。

 

平和🕊

 

 

ですが、今回も大変でした。

TwitterInstagramでも随時つぶやきましたが、こんなことで困りました。

 

 

 

世の中が車椅子ユーザー単独で運転していることを知らない。

 

雪道で事故に遭っても、雪にハマっても、立ち往生ちに巻き込まれたとしても

夫は道が悪い場所(つまり雪の中)では車から降りることができません。

車の排気口が雪に埋まったとて、自力で雪を掘りに出ることは不可能。

 

そして世の多くの人は、車椅子ユーザーがまさか単独で車を運転し

通勤したり買い物へ行ったり、子どもの送迎をしたりと

生活を送っていることを知らないのです。

 

何かアクシデントがあったら死がとても近い中、それでも生活しています。

 

そのため私は常に出れる態勢でいます。

これ、非常にストレス溜まります。

 

 

赤ちゃんどうしよう!?

 

夕飯を作っていると自宅前で夫から、車がハマったと電話が来ました。

運悪く除雪車もすぐそこまで迫っています。(除雪車がきたら速やかに退くのが雪国ルール)

さあ困った。

1歳の次男を背負って出る?いやそれは次男が危険。

慌てて長男に「ごめん。ちょっとパパ救出してくる間お願いできる?」と

次男を託し、子供番組をつけて飛び出しました。

 

結局、向かいの家のパパが助け舟を出してくださり

夫の車はなんとかなりましたが

家の中からは置いて行かれた次男の大泣きが。

 

長男にお礼を言って次男を抱き取ると長男が一言。

「ママ、僕が赤ちゃんの時はこれどう乗り切ったわけ?誰もいなかったでしょ?」

 

そうね、あの時は

赤ちゃんだった長男にはベビーカーで待っててもらったり、

あまりに吹雪の日は車庫の車の中でエアコンと音楽をつけて待っていてもらったり、

なんとか乗り切ったんでしたっけね。

 

https://www.instagram.com/kobutadayo6

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いろんなことがありました。

 

雪かきの行政支援はほぼ当てにならない。

 

雪かき支援はあります。ありますがほぼ、我が家の生活には当てはまらないものでした。

朝通勤のために車庫前の雪かきが必要なのに、

福祉雪のけサービスはいつ来るかわからない上、うちの自治体では玄関前のみで車庫前は不可。

 

それでは全く意味がなく、結局ここでも

車椅子の障害者が毎朝会社に通勤するということが想定されてない制度につまづくのでした。

 

 

まとめ

制度がない、制度があるのに対応していない。

制度が現代の障害者の生活にそぐわない。

その補填をするのは家族。

 

障害者家族が障害者本人の“バリアフリー”であることが、

本人からも社会からも求められている感。

 

愛情という絆があるから、

家族間で求め合うことには納得が行きますし、

思いやりを持って、障害ある家族が困らないようにしたい・守りたいと思うのですが、

 

それを

「家族がやるのが当たり前でしょ?だから支援はありません!」

と言われると、本当にそうなの?と思うし、

家族は永遠に人生を賭して社会と障害の狭間を埋め続けるしかないの?と思うし

(これは障害者本人に対してではなく、社会や行政のあり方に対してです。障害者本人を責めるつもりは一切ありません。障害は本人の責任ではないのですから。)

 

家族を持たない障害者は死に直結するしかないのかな?

と首を傾げるのです。

 

それに常に待機状態でいるということは、働きたくとも働けません。

もしかしてこれ、私が待機してなければ夫は死ぬかもしれないの?と思うと…。

 

 

不妊治療中は

「この季節に移植すると除雪が…」「今妊娠したらつわりと除雪がかぶる?」「今妊娠したらちょうど産後と除雪が…」と悩まねばならず、

妊娠中、産後はいくら医療者や保健師さん助産師さんから

「雪かきはあんまりいいとはいえないよ」

「雪かきなんてとんでもない」

「もし帝王切開になったら除雪はどうするの?絶対ダメよ」

と言われても、するしかない時もあるのが雪国車椅子ユーザーの妻である私の生活でした。

 

でもこれ、きっと私が雪国出身者だったり

私や夫に頼れる友人・知人・親類縁者が多ければ大した問題じゃないはずなんです。

特定の家族が1人で背負う必要もない問題です。

 

たまたま、たまたま私が雪かきにも雪国ルールにも慣れていない県外出身者で

たまたまASDというコミュニケーションの必要性を感じにくい、

人に頼るという選択を持ちにくい障害があり

たまたま私が頼れる親類縁者が近くにいなくて

そしてたまたまここが田舎で共助で大抵のことが成り立つ場所であり

行政支援が手薄だから、

こうなっているだけのことなので皆様、怖れすぎないでくださいね!

 

スイスチーズモデルの、チーズの穴を全て通り抜けた先の世界が私のいる世界です多分。

 

さあ、買い物に行ってきます!

物流が滞ってるとのことだけど、物はあるかな?!

あるといいな。

 

皆様、よいクリスマスを

妻が常々思うこと、頼ることのハードル

 

 

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夫♿️は割とできることの多い車椅子ユーザーだろうと思います。

 

大工仕事をするし、

重い荷物も工夫して運べるし、庭仕事も土木作業もこなします。

 

なら、なんでもできるじゃない!

 

という単純な話ではないのが、車椅子ユーザーである彼の生活だろうと思っています。

 

確かに夫はできることが多いと思います。

ですが実際はその“できる”は頑張ればできる、できなくはない、むりをすればできるということなのです。

 

これは有名な、児童精神科医の吉川先生の名言

発達障害の人にはできる事と、できない事と、できるけれど非常に疲れる事がある」

の引用なのですが

 

当てはまるのは発達障害だけではなく、

全ての障害がそうなのではないかなと、個人的に思っています。

 

今日はゴミの日です。

夫はゴミ捨てに出ることができますが、ゴミ捨てに行くというそれだけのために

車椅子を乗り移り、生ごみやおむつの入ったゴミ袋を膝に乗せ

落とさないように袋の持ち手を口に咥えて

スロープをくだらなければなりません。

 

一袋や二袋なら良いのですが

もっとゴミの多い日もあります。

 

一度に膝に乗らない分は、数回に分けて持っていくことになります。

その度にスロープを上り下りするのです。

 

雪が積もると「できない」へと変化します。

 

歩ける人が“ゴミを捨てる“よりも遥かにエッジが効いているのです。

 

これは生活の全てにおいてそうです。

着替え、トイレ、食器を運ぶ、車に乗る、そんなことでさえ

全てが”頑張ればできる“なのです。

 

それはとても気力と体力と時間がいること。

 

それを家族はもちろん理解しています。

理解した上で、夫からのサポートがないと生活はまわりません。

わが家に大人はふたりしかいないのですから。

私だって、完璧ではないのです。体調も崩すし、乳飲み子も抱えています。

 

私も夫に汚いゴミ袋を咥えさせたくはありません。

 

仕事前にゴミ袋を膝に乗せ、ズボンが汚れればまた一から着替えのやり直し。

 

朝6時に起床しても、シャワーを浴びて着替えをして

9時の始業ギリギリになることもあります。

 

私がゴミ捨てを彼に頼むというのはそういう全てをわかった上で・・・でなければならない。

 

ただゴミ捨てをパートナーに頼む、それだけのことなのに

どうしてこんなにも覚悟が必要で、ハードルが高いのでしょう。

 

 

彼と社会生活との間にある摩擦は

間接的に家族にも影響を及ぼします。

 

ただそれは決して”彼のせい“ではありません。

彼をパートナーに選んだ私のせい?それはわかりません。

私の覚悟が足りなかったせいでしょうか?

「わかってて結婚したくせに」なのでしょうか?

 

そうした全てを引き受ける覚悟がなければ、

障害のあるパートナーや、将来障害疾病を負う可能性のある全ての人と

恋愛やパートナーシップを築いてはいけないのでしょうか?

 

人はそう、完璧でなければならないのでしょうか?

 

ですがなんとも残念なことに、

人は完璧じゃなくとも、不完全であろうと

愛し愛される生き物なんです。

 

 

10年前と今とでは社会の目は変わりました。

 

障害がある人が働ける環境がととのいはじめ、

障害のある人が外出しやすい環境がととのいはじめ、

障害のある人が社会に生活していることが認知され始めて来ている今と

10年前とでは

私たち家族の生きやすさは格段に変わっています。

 

それは精神的にも物理的にも。

 

障害のある人が社会に出て、就労や社会的役割をこなすことを期待される一方、

「がんばればできる」の部分に重い負担を強いられて

なんとか回ってる感を感じる時もあります。

 

障害のあるひとが社会で生活するということは、就労の問題だけではありません。

 

障害を個人の責任とし、

「がんばって健常者に近づくこと」を目指す時代は今や、かつて古のものになろうとしています。

 

いつか近いかもしれないし、遠いかもしれない未来、

私が気軽に彼にゴミ捨てを頼める日が、来るのかもしれないし

こないかもしれません。

 

でもきっと来ると信じて、今日を生きるしかありません。

 

その頃にはもう子どもたちも大きくなり、

朝、夫に頼まずとも私がゴミを出す余裕もあるのかもしれないし、

既に私は存在せず、夫はゴミを出し続けることになるのかもしれません。

今より楽にゴミが出せるなら、雪が積もっても彼が困らないなら、まぁなんだっていいか。

 

 

夫婦が共同体である限り、

ひとが社会性を持ち協同して生きていく生き物である限り

障害は、障害を持つ本人だけの不便では

ないのでは無いかなと

何となく思うのです。

 

寒さ深まって参りました。

次男も昨日からハナタレちゃんです。

皆様どうぞご自愛ください。

Instagramのお題に参加しませんか?

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車椅子ユーザーと家族の写真を

ストーリーに載せて

小さな写真展をしませんか?

 

 

https://instagram.com/stories/wheelchairfamily/2982589755883513649?utm_source=ig_story_item_share&igshid=MDJmNzVkMjY=

 

Instagramのストーリーなので表示期間は限られていますが

小さな小さな写真展です。

 

日にち 11月30日

場所 Instagramストーリー

ウィルチェアファミリーがラジオで紹介されます

お知らせです!
 
私(みっちゃん)の車椅子仲間であり友人の真北聖子ちゃんが
ラジオパーソナリティーを務める「バリアフリータイム」にて、
 
なんとなんと。
 
ウィルチェアファミリーのことを紹介して頂けることに〜!
 
劇団員や講演活動、シンガーソングライターと幅広く活動している彼女。
住んでいるところは遠く離れていますが、
音楽をきっかけに今もずっと繋がっている大切な友人です。
 
お時間あるかたはぜひ聴いてください。
 
<MRTラジオ>
11月22日(火)10:15〜「バリアフリータイム」
こちらから👇聴くことができます。

mrt.jp

 

真北聖子ちゃんのInstagramはこちら