ウィルチェアファミリーチャンネル

当ブログにご訪問ありがとうございます! 【wheelchair family channel 】ウィルチェアファミリーチャンネルです。 車椅子ユーザーでも臆せずパパママになれる社会にむけての情報をメインに発信しております。当たり前ですが、車椅子ユーザーでも家庭を持って子育てができます。 少しの工夫をみんなで共有して大きな愛のある生活を手に入れませんか?

その時命をどう守る?車椅子親と災害

本日19日を持ちまして、
Twitter限定サンプル品プレゼント企画を締切らさせていただきます。
当選者には後日DMを送らせて頂きます。



さて、先週の台風19号、甚大な被害が出ましたね。
幸い私たちウィルチェアファミリー4人の住む地域には
大きな被害はありませんでした。

被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げますとともに
亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。


どうものりちゃんです。
f:id:WheelchairFamily:20190612193954j:plain


鳴り止まないアラートに不安な一夜を過ごされた方、
川が氾濫したら……と眠れぬ夜を過ごされた方も
たくさんおられたことでしょう。


長野県立総合リハビリテーションセンター孤立のニュースに
震えた方も大勢おられた事かと思います。



私もそんなニュースを他人事ではないと受け止めたうちの1人です。



被災実態が明らかになるにつれ
災害のあった地域に住む、車椅子ユーザー、
それもお子さんを持つ方々のことが頭を過りました。

幸いにも私の知る方々の無事は確認できましたが
大半が住み慣れた街の見慣れた景色が無残に壊され、
多くの不便と心の痛みを抱えられたことかと思います。





ハードルが高い車椅子ユーザーの避難


今回、私が1番心を痛めたのは
TwitterのTLに流れてくる車椅子ユーザーたちのツイートでした。




避難勧告は出ているのに
物理的に避難所に行けないから避難しない。

避難所に行ってもどうしようもないから避難するより自宅待機する。


障害があると、場所が変わるそれだけで
普段できることが出来なくなってしまいます。



避難所に行ってもたくさんの人がいれば、
1度決めた場所から車椅子は動けず
入口に靴が沢山あれば出入りすらできない

何より硬い床で眠れば褥瘡リスクがあり、床では眠れない。

トイレが使えるトイレでなければ、トイレにも行けず
感染症リスクがあがる。

車椅子トイレはあっても、脊髄損傷者のトイレは長時間を有します。
(人によっては30分から半日等まちまち)
その後、シャワーを浴びれなければやはり感染症リスクに晒される人もいます。


避難所に逃げて命が一時的に助かっても
避難所生活で命を落とすリスクが非常に高くなります。


だから避難所にいかない選択をする人が
たくさんいたのです。

f:id:WheelchairFamily:20191018112832j:plain


また強い雨風の中、車椅子ユーザーが単独で避難することは不可能です。
(漕いでも漕いでも進みません)


障害がある人は
障害の種別に問わず、ほとんどの人が
持って逃げなければいけない荷物が多くなりがちです。




通常の防災グッズにくわえ、我が家なら
排泄セットやエアマットレス、トイレが使えなかった時のための簡易テントや簡易トイレ。
発達障害の息子も落ち着けるようにぬいぐるみや、騒音対策にイヤーマフが欠かせません。
きっと他の障害をお持ちの方も、障害故に荷物が多くなりがちかと思います。


たくさんの荷物を抱え、暴風雨の中を
車椅子で子どもと避難することは不可能
なのです。


我が子を守るために


旦那は以前から私にこう言っていました。
「いざとなったら障害者や高齢者なんか助けてないで
逃げなきやいけない。弱者の犠牲になって死ぬなんて馬鹿げてる」

似たようなことをいう車椅子ユーザーはたくさんいます。



ですが子どもがいたら、
車椅子ユーザーとて、庇護される存在ではなく
子どもを守る立場
になるのです。


子どもを守り、自分も生きて子どもを育てる責任があります。


誰かが助けてくれるのをただ待つだけではなく
いざとなったら子どもを守り抜くために
誰かに子どもを託すという判断も必要になります。

そして日頃から、ここに車椅子親と子どもがいるということを
周囲に知ってもらえるような工夫
も必要です。


車椅子ユーザーにも生き抜くための知恵を働かせることはできるはず。
災害の備えは、受身であってはいけないのでは無いでしょうか。



災害弱者・要支援者登録をしても、その活用方法は自治体や地域によってかなり差があるようで
要支援者登録をしたから誰かが助けに来てくれるだろうとは
まず期待しない方が良いかと思います。
お住まいの地区の災害弱者・要支援者登録がどのように活用されているか
1度調べておくこともできることの1つですね。



「私のことは、俺のことは放って逃げていいのよ」では済まないのです。

"親"だから。
子どもを守る立場だから。


その自覚を持ち、どうやって助けてもらうか、
どうやったら自分と子どもが死なずに済むかを
しっかり日頃から考えるべきです。

物理的に難しいからと言って
自分を守ることを放棄していいわけではありません。

f:id:WheelchairFamily:20191018112641j:plain


今回のような事前に台風が来るとわかっている場合、
避難所が開設されたら
大荷物を持って、避難所にいち早く向かうことも
車椅子ユーザーも子どもも
どちらをも守る手段の1つです。



障害がない配偶者がいても
健常な人が自分の身を守ることさえ大変な状況で
配偶者1人の力で子どもも車椅子ユーザーも配偶者自身の命も
全てを守るのは不可能
です。


子どもがいる車椅子ユーザーはもちろん、
子どもがいない車椅子ユーザーも
逃げましょう。
生きましょう。

予め被害が予想される台風の避難は、早目に行なってください。




www6.nhk.or.jp

shobokyo.net




子どものいる車椅子ユーザーの避難時の持ち物リスト

(通常の防災セットに加えて用意すると便利なもの)

車椅子親のもの

(脊髄損傷Thレベル歩行立位不可常時車椅子使用を想定)

・排泄セット
 (普段と違う排泄環境になることを想定して紙パンツやおむつ、おしりふきもあるといいです)
・簡易トイレ・汚物凝固剤
・着替えおむつ交換でなどで体を隠せる大きめのバスタオル
・エアマットレス(自動バルブ式が便利)
・トイレが使えない場合の摘便用に
ディスポ手袋、消毒液、潤滑油、ペットシーツ
おしりふき、ゴミ袋、消臭剤に隠せる大判タオル等
・普段使っている自助具など
・複数口のコンセントタップ
 (電動車いすなど充電が必要でも、避難所のコンセントの数が限られていて占領されてる時があるため)
・常備薬
・ペットシーツ
 (排泄トラブル時等に役立ちます)
・ヘッドライト
 (両手が自由になります)
・パンク修理キット
・空気入れ
 (自力で入れられなかったら誰かに頼めばいいので手動の小さいものでOK)
・ラバー付き軍手
 (手が滑って車椅子が漕ぎにくいときに力が入りやすくなります)
・紙とガムテープ
 (できないこと・助けてほしいことは紙に書いて車椅子等見えるところに貼ります)
・ポリ袋
・消毒液




子どもの持ち物

・好きなおもちゃ・本・折り紙やお絵かき帳など
・一気に食べきらないように個別包装されたお菓子
・水分
・ポリ袋
・ウエットティッシュ
母子手帳のコピー(出生記録と予防接種記録)
・ガーゼタオル(なんにでも使えます)
・消毒ジェル等

 【赤ちゃんの場合】
 ・ミルク
 ・レトルト離乳食
 ・簡易哺乳瓶
 ・赤ちゃんの水
 ・おむつ
 ・おしりふき
 ・おくるみ
 ・抱っこ紐
 ・カトラリー
 
 

どうか災害の犠牲となる命が
1つでも少なくなりますように。