ウィルチェアファミリーチャンネル

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車椅子パパ、運動会に初参加!!これまでの葛藤と妻子の気持ち

昨日は旦那の車椅子の採寸で、私が乗るわけじゃないのに

設定やら色やら、あれこれ口出しまくってきました。

 

今頃になって車軸設定を後悔しているキモイ嫁、のりちゃんです。

 

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運動会シーズンなのに週末は台風が日本列島直撃の予報ですね。

皆さまどうぞお気をつけください。

 

 

我が家は先日、息子の保育園の運動会でした。

 

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保育園生活も4年目、運動会も4回目の参加となったわけですが

今回初めて旦那も息子の運動会に、見るだけじゃなく参加しました。

 

「パパじゃできないから」と不安がっていた息子でしたが

パパが「ほら行くぞ」とグイグイ先に行ったので、ちょこちょこついて行き

最初の不安はどこへやら?

 

いつも私とだとしゃがみ込んで砂いじりしている人が、

パパとなら嬉しそうに踊っているのです。

(とはいっても、パパのタイヤに着いた砂が気になって気になって

 砂を払ったりもしてましたけどね)

 

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うちの子はいわゆる、発達kids。

 

本人、運動会は楽しみなのだけれど、

与えられたものをみんなと同じタイミングでやるというのがどうも苦手で、

座っていられなかったり、みんなと一緒にやる競技が苦手だったりで

それを当然ながら周りの子に理解してもらえず

運動会練習では悲しい思いをしたり、一悶着も二悶着もありました。

 

ですから母としては、そちらの方が心配だったんですが

毎回運動会では旦那の父親としての葛藤が垣間見える場面も多く

どっちものケアをしつつ、自分も競技に参加しなくちゃいけないから

もうめちゃくちゃ脳内が忙しい!!!

 

運動会は我が家の鬼門!!

 

 

 

 

 

これまでの運動会での父としての葛藤

 

息子1歳の初めての運動会の時に私がFBに投稿したポストです。

 

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先日は子どもの保育園のはじめての運動会でした。
2日前からの発熱で参加できないだろうと思っていたら
当日の朝には熱が下がり、参加できました。

 

いつもと違う雰囲気に圧倒されて
私にしがみついてイヤイヤになっていた息子も、
競技のスタートラインにつくと
大好きなはらぺこあおむしに猛突進!

 

そこからはご機嫌でした。

 

見えない障害の私と違い、車椅子はインパクトがあります。
先生たちは主人が車椅子と知っていますが
送迎や行事の参加は今まで全て私だったので、主人が先生に会うのもはじめて。


保育園ママたちにも、わざわざ主人が車椅子だとは言っておらず。

 

子どもたちが主人を囲んじゃったらどうしよう。
園ママに避けられたらどうしよう。
先生たちはどう思うんだろう。
子どもが他のパパとの違いをどう思うんだろう。

 

などなど内心、私はドキドキして過呼吸になりそうになりがら向かいました。

 

同時に主人が一緒に行事に行ってくれることは心強く、
子どもの普段の生活の場を見てもらえる♪
一緒に子どもの成長を見守れると嬉しくもあり。

色々ごちゃまぜな感情でした。

 

“私の旦那”としてはまったく隠さず紹介できるのに
“子どものパパ”として紹介するには正直怯んでしまった自分にびっくりです。

 

これから保育園、小学校、中学校とあるわけですから
その中で子どももいつか悩むときが来るだろうけど
その時にちゃんと子どもをサポートできるように
親も今からびびってないで“飛び込む勇気”を持たなくちゃですね。

 

園からは駐車場の確保の配慮をしていただき、
駐車場から園庭に行く楽なルートを色々一緒に考えてくださいました。

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この時は自分の気持ちと息子の気持ちしか考えていませんでしたが

実は旦那の胸中も複雑でした。

 

 

それは息子が3歳になった、2度目の運動会の時でした。

入場や準備体操、親子競技に徒競走も私と出た息子。

 

車椅子の視界からだとなかなか動画や写真撮影もままならず、

他のパパたちが撮影する小高い芝山には上れず録画係ができるわけでもなく

競技に出るわけでもなく。

 

 

旦那、私や息子とは違い昔は、かなり運動神経のいいタイプでした。

運動会はリレーの選手で、駅伝に出たりしてたようです。

 

だから余計かもしれないけれど、走りの遅い息子を叱りだしました。

当時、まだ3歳です。

 

 

「そんなじゃダメだ!」と言われた息子はいじけましたが、

旦那は走り方を教えれないことに苛立ちを感じていたようです。

 

 

 

それは今に始まったことではなく、

きっと息子が生まれたときから

端々で感じていた負い目が貯まった結果なのかな?

 

 

 

父の葛藤は深い

 

車椅子パパには

普通のパパにできることの多くができません。

 

 

よちよち歩きの手を引いてあるくことも

三輪車やランニングバイクの乗り方を教えることも

外で肩車して歩くことも(肩車自体は車椅子のパパでも状態によっては可能です。)

車で寝てしまった子どもを抱き抱えて運ぶことも。

高い場所のセミをとってやったり

一緒に山や河辺の茂みを周りクワガタやカブトムシを採ること、

川遊びをや磯遊びを教えてやること、他にもたくさん・・・。

 

 

例えば私が当時、旦那に親子競技に出てと言っていたとしても

多分旦那は出なかったと思います。

 

彼は自分が健常じゃないことに、

健常のパパのようにしてやれない自分に苛立っていたんだと思います。

 

競技に出れなかったことへの苛立ちではきっとなかったでしょう。

 

 

 

 

だけど私も息子も歩ける彼を知らないのだから

息子の眼には単に「パパは競技にはでないもの」

「ぼくが悪いからパパに叱られた」としか映らないし感じれないことでしょう。

 

 

 

旦那だけが失ったものを持っていて

私と息子は何一つ失ってはいないのですから。

 

 

 

 

旦那の苛立ちを煽ったのは父親競技の綱引きでした。

 

 

何度も何度もかかる、綱引き参加の呼び掛け放送の度に

「俺が出たら引き摺られるだけだ。出ようか?ぶら下がるだけだけど」と

苦笑いを浮かべていました。

 

息子も私もパパに、できない競技に出て欲しい訳じゃない。

他の父親と同じで在ってほしいわけじゃない。

 

 

一緒に息子の成長を見守れればそれでよいのだけれど

旦那はパパとしてしてやりたいことができないことや

他の父親のようにできない苛立ちと負い目を感じ、悔しい思いをしていたのでした。

 

 

 

 

いつだって何にだって言えることですが

既成のやり方である必要はなくて

自分なりのやれるやり方で愛してあげれば

それだけできっと子どもは満たされるのに

「他の父親のように」という固定観念子どもを淋しくさせる。

そういうこともあるんじゃないかな?と感じることがあります。

 

 

「大切な人を守るにはまず自分を大切にしなきゃいけない」

そう私に教えたのは旦那でした。

 

 

だからまず、自分を惨めに思うの、辞めなよ。 

中途障害者の気持ちは私にはわからないと言われてしまえばそれまでだけど。

だけどこれだけは揺るがない事実なんだよ。

 

 

息子はパパが大好き。

 

 

 

 

 

 

葛藤の原因

 

旦那の葛藤は本当に根深く、去年の運動会でも

とても競技に出て!と言える雰囲気もなく、

息子もすでに運動会の競技はママが出るもの!と学習してしまっているから

パパが出るという発想すらなかったのです。

 

 

去年の運動会の様子はこちら↓

(ほとんど不妊治療ブログと化していてほぼ放置のブログ)

 

happypig.hateblo.jp

 

 

 

実は去年までは旦那を取り巻く環境に色々なことがあり

彼が自信を失っていたことにも原因があったように思います。

 

息子と旦那の関係も危うく、なんでそこで受け止めてやんないかなぁ…と思うことも多々あり

私と旦那もかなり喧嘩をしました。

 

その環境から旦那が離れ、

時間に余裕ができて息子との密な時間を持てるようになったあたりから

2人の関係が急激に変わり始め、今年はいけるかも?と思ったのです。

 

 

ほんの数か月でしたが、2人には密に接する時間が

お互いを理解するために必要だったようです。 

 

 

 

今年の運動会は?

 

息子「親子競技はね、こうこうこんなことするよ。ママ出てね」

と言われたタイミングで

パパと出てみたら?と持ち掛けました。

 

 

息子「でも・・・おんぶの紙引いたらどうする?」

と困り顔。

私「膝にのればいいよ。できる方法でやればいいの。」

息子「でもぉ・・・ママの方がいいみたい・・・」

 

 

また別の日

息子「親子ダンスは筋肉モリモリにぶら下がるの。ママお願いね」

私「それパパと出なよ~」

息子「えー!でもぉ。。。」

私「ダンスならでれるじゃん。それに息子くんいつもお砂して踊ってなし、

  パパができないところあっても大丈夫そうじゃん?」

息子「えー。今年はちゃんとやるんだもん!!」

 

 

旦那もそれを聞いて「ぶら下がられるのはヤバイ。無理だ。」と言っていたので

当日親子競技ギリギリまで、

私が出るか旦那の背中を押すか…で悩んでいました。

息子も「おんぶがーーーー」と不安そうでした。

 

 

競技の合間にトイレに行った帰り

学年の先生とばったり会い、親子競技の話になりました。

「お母さんよろしくお願いしますね」と疑いもなく言われたので

「パパに出てほしいんですけどね」

というと、沈黙のちに

「じゃ、3人で出るとか♪」と言われたので

 

先生たちの想定では私が出るんだな。

確かに一斉に4組5組の親子が走って複雑なことをやるので、すこし危ない感はなくもない。

一気にみんなの注目を得る競技に出して、できないことがあったときの失敗体験を息子に植えるよりは

最初は成功体験がいい。

 

 

そう思い、親子競技は私が参加することにしました。

 

 

親子ダンスは全親子が真ん中に集合して入り乱れて踊ります。

 

遊んで踊らない子も、砂いじりに夢中の子もいます。

それならできないものがあっても、取り立てて失敗体験を味わうことも苦い思いも少ないでしょう。

息子も旦那も、安心して「一緒にでたね」を共有できます。

 

 

親子ダンスの召集がかかり

「パパ出て。息子君、パパと行っといで」

というと

息子は「え!なんで?」と慌てていましたが

旦那は「なんで俺なん!!でなくていいし」ということなく

「ほら行くよ!」と息子を誘い円の中に進んでいったのでした。

 

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2人の距離が縮まっていなければ、こんな風にはならなかったでしょう。

旦那が今安定していなければ、こんな風にはできなかったでしょう。

 

 

息子が産まれて5年経って、ようやく父子らしくなってきたなと

はじめて一緒に運動会に参加する嬉しそうな2人を

嬉しく思えたのでした。

 

 

今年の父親参加綱引きですか?

自虐はしていませんでしたが「あれ、手の皮捲れるんだよねぁ…」と呟いていました。

 

本当はアレに参加したい気持ちがあるんだね。

だって、旦那もお父さんだもんね。

 

 

 

まとめ

 

どうしても他の父親のようにしたい。

こんな風にしてやりたい。

 

そうやってしてやりたい気持ち・子どものカッコいいお父さんで在りたい気持ちからから

できないことを見てしまうのは当然だと思います。

 

ですが、そうやって落ち込んで頑なになっている姿をみて

子どもはどう思うでしょう。

うちの子は「パパはできない。ママがやるもの」という学習をしてしまっていました。

選択肢からパパを消去していたということです。

それって子どもにとっても父親にとっても、悲しいこと。

 

できることをできる方法で自分と共有しようとしてくれるパパの姿が

きっと子どもも嬉しいのではないかな?と思いますし

父親としても、子どもの成長のシーンに

参加するのとただ見ているのでは感動は大きく違うことでしょう。

 

 

子どもとの向き合い方がわからない車椅子パパさん!

あなただけじゃないよ。うちの旦那も同じだよ!

 

手遅れになる前なら、まだ

一歩一歩でよくないかい?

 

知らんけど。

 

 

以上のりちゃんでした。