毎年この時期になり梅雨が明けると
どうしようかなぁと思うのが、海水浴。
夫婦二人なら、
別に行けないなら行かなくてもいい海水浴。
子どもがいると、
……やっぱり経験させてあげたい。
息子が産まれたときから、いや産まれる前から
海水浴はどうやって連れていこう…と考えておりました。
そんな車椅子男の嫁、のりちゃんです。
どうしよう海水浴
子どもが生まれてから、
「大きくなって海水浴行きたいってなったらどうしよう?」
そう思っていました。
私一人で連れて行く?
自分が慣れ親しんだ海でもないからよく分からないし、
大人になって海なんて釣りくらいしか行ってないから
海水浴はなかなかハードルが高い。
車椅子の旦那連れともなると、余計ハードルが高い。
車椅子のタイヤは砂にはとても弱いのです。
埋まるばかりで進みません。
その上、我が家近辺はほとんど階段ありか、駐車場から波打ち際までの間に長い砂浜がある海水浴場ばかり。
その時点でハードル高すぎ…
乳幼児をひとり歩きさせて、パパの介助に専念というのもなかなか怖いし。
子どもは手の離せない時に限ってやらかします( ;∀;)
(最悪段ボール二枚持って行って車椅子の下に敷いて交互に動かして行ったら、
砂浜でも進めるんじゃない?!なんて考えたことがありますがどうですかね。
誰かやってみてください♪)
考えた末、義弟一家と同居する義父母に
海水浴の際はぜひうちも誘ってください!と何度も声をかけたんですが
切実な問題だと思われてないらしく
1度も誘っていただけないまま、子どもも2歳になりました。
ある時、ドライブがてら夕方の海に行き
ボート用の急なスロープから旦那が下りれることが判明しました。
(結構な急スロープなのでオススメしません。行けると思わないようなとこから急に下りてきてビビった)
その日はそのスロープから下りて、旦那は波打ち際に近づいただけでしたが
ライフセーバーさんたちともお話して、
「手伝うからいつでもおいで」と心強いお言葉を頂戴し、
自力で砂浜まで行けることもわかったので
後日、息子が3歳になる直前ではじめての海水浴に行くことにしました。
が、私は水着なんて持っていなかったし(そもそも海とかおぼれそうで不安感が強い)
誰が海に入れてやるの?
そこで旦那の友人を召喚 (42歳独身・持ち家有ローンなし・彼女募集中)
我が家が唯一頼れる男手はこの友人だけ。
我々はテントで見てるのかと思いきや、
なーんと旦那も海に入りました(゜ロ゜)
旦那、いつかのグアム以来の海水浴。
日本の海に入るのは、受傷以来で約20年ぶり!
はじめての海水浴
近くに海水浴場はたくさんあるのに
どこも砂浜用車椅子もなければ、なだらかなスロープもありません。
階段降りなきゃいけないとこばかり。
先日の海水浴場へ行き、ボート用の急なスロープを下りて砂浜に突っ込みました。
freewheel(車椅子の前に装着できるタイヤ)と
キャスター用のスキー(前輪にはめるスキー)を持参しましたが
freewheelを付けると床トラ(車椅子から降りること)できず
キャスター用スキーだと漕ぐのに腕力が要りすぎで
キャスター上げ走行(ウイリーのこと)が一番だとわかりました。
波打ち際まで行き、
あとは床トラ(車椅子からおりて腕でお尻を浮かせながらバック移動)で海へ。
あとはただただ浮き輪にしがみつくオッサン…
車椅子にはあらかじめバスタオルを引き、
クッションは濡れないようにビニール袋で覆っていきました。
車椅子の砂を落とすための小さいブラシも持参です。
息子は初めての海を怖がり、旦那の友だちにずっとしがみついていました。
旦那がおいでと腕を伸ばしましたが
海の中ではパパよりパパの友だちの方が頼りになることを既にわかっていて
旦那の友達にべったりでした。
息子も慣れてくると楽しかったようですが、
旦那は自由にすいすい手だけで泳ぎ回り、それ以上にはしゃいでおりました。
流されたら怖いからあまり遠くに行かないでほしいと思う反面、
こうやって何をするにも車椅子だから危険と言われ
自由であることを否定される煩わしさも
わからないではないので胸中複雑です笑
帰りはスロープが急すぎて(そもそも車椅子用ではないから)登れず、
荷物抱えて息子の手を引く私と友人があたふたしてる間に
すぐにマッチョなライフセーバーさんに取り囲まれてお神輿状態。
当然、海水浴中もマッチョなライフセーバーのみなさんにガッチリ見つめられておりました。
海水浴は後も大変!!
車椅子用のシャワーなんてないから当然、そのまま帰ることになるわけですが
びしょぬれのまま砂浜で床トラするしかないもんだから
海水パンツの中も、その下に履いたウエットスーツ素材の短パンの中も砂利だらけ。
持参したペットボトルの水でお尻だけ洗い流そうかと思いましたが
外から丸見えな場所でさすがに大人がお尻だすのは…ね。
隠せるものと、乗り移れる簡易ベンチのようなものは必要なのかな(;^ω^)
臀部に感覚がないため、お尻部分に砂利がついたまま座るというのは
褥瘡(床ずれ)や臀部の創ができやすく、ハイリスク。
息子の「あいしゅ!あいしゅたべたいー」もスルーして自宅に急ぎました。
帰宅したら帰宅したで、
リム(車椅子のタイヤについている漕ぐ部分)の小さな孔に砂が入ってしまっていて、
動く度に砂がサラサラ~サラサラ~
(ナチュラルフィットには小さな穴があります)
キャスターも、海水で錆て固まらないようすぐ掃除して…と後が色々大変でした。
車椅子じゅう砂だらけ!
もちろん自宅内も砂だらけ!
しばらくの間は掃除してもしてもフローリングがじゃりじゃりする生活でした。
なんて話を笑い話として義実家でしたところ、
「そこまでして行くな!」
いやいやいや、そこまでしないとうちの子は家族で海水浴に行けないよ。
モヤる嫁。
妻子だけで海水浴にトライ
翌年は旦那が激務に追われほとんど家に居なかった上、
いても褥瘡真っただ中だったので
意を決して息子と2人きりで海水浴に挑みました。
困ったのは、
・子ども見つつなので荷物を1度に運ばなくちゃ難しいことと
(「ちょっと待っててね、ママ荷物とってくるから。」なんてできない。)
・大量の荷物を持ってるのに、感覚過敏の我が子
足に砂が着くことを嫌がり、抱っこ―と言われて座り込んで動かない。
・荷物を放置で遊ぶことになるので取られて困るものは持っていけないこと
・写真が撮れないこと
・テントが畳めなくてテンパる
・息子が石をたくさん拾って持ち帰るというから自分で持たせたら
「重たいの」と半泣き。
でも私も両手に大荷物だから自分で持たせるしかない状況で、
こだわり強くて捨ててくれない
早い話が色々大変でした。
幸いにもビビりな息子は沖を怖がり、海に入ってもひざ下まで。
波打ち際で石拾いが1番楽しいようで
海に浸かって泳ぐより、石拾いに砂遊びを楽しみました。
私もがっつり浸かるの怖いからありがたかったけど
我が子ながら、もうちょっとしっかりせーや!と思う母 笑
海の家にしかシャワーがないらしく、
公衆シャワーしか使ったことのない私は
借りるルールがわからなくてシャワー断念(;^ω^)
息子だけペットボトルの水でさっと流し着替えさせて
私は車にバスタオルを敷き、水着にパーカー羽織って濡れたまま帰宅。
海に行くというのは人手が必要なんだなというのがよくわかりました。
近くに友人でもいれば一緒に行こう!とさそえるけど
私の友だちはみんな遠方の県外で
誰か一緒に海水浴行こー!といえません。
ひとりで連れて行っても、旦那と2人で連れて行ってもなかなか大変な海水浴。
誰かご一緒しましょうよ。
海水浴の持ち物は?
車椅子の旦那の当日の装備
- 海パンの下にはウエットスーツ素材のハーフパンツ
- 車椅子のクッションはポリ袋で包む
- ペットシーツ(クッションへの浸水を防ぐ)
- バスタオル2枚以上~
- 手洗い用の水(ペットボトルに入れていく)
- ブラシ(車椅子の砂落とし)
- 浮き輪
幼児連れの持ち物リスト
- 簡易テント
- レジャーシート
- 帽子
- サンダル
- 日焼け止め
- 水着(ラッシュガードや水遊びパンツ)
- タオル
- バスタオル
- パーカー(水から上がると寒いから羽織るもの)
- 着替え
- ウエットティッシュ
- ごみ袋
- うちわ
- 飲み物
- お砂場セット
- 手洗用の水(焼酎ボトルに入れていくと便利)
- お菓子など
- 小銭
- 浮き輪
まとめ
ユニバーサルビーチという話はちらほら聞くものの
まだまだ車椅子ユーザーにとって海は身近なものではありません。
こんなに海水浴場がたくさんある新潟なのに
車椅子で自由に行ける海はどこにあるんでしょう?
海に囲まれた島国日本なのに
車椅子で自由に行ける海はどこにあるんでしょう?
トイレとシャワーさえあれば最悪どうにでもできるのに
それがあるところはまだまだごく一部なようです。
車椅子が必要になったとしても
当たり前に外にも出たいし、海にも行きたいんです。
皆さんが当たり前にしていることは、車椅子ユーザーも当たり前にやりたいのです。
砂浜専用の車椅子も何社からか出ていますが
年に数回使うか使わないかのもののために
大金を払うのも、置き場所も個人では大変です。
調べてみると。
サンドライダー(砂浜用車椅子)が無料で乗れるようです。
こういった車椅子が手軽に借りれることが当たり前になったり
ユニバーサルビーチが身近なものになるといいですね。
ユニバーサルビーチとは、
障害者や、お年寄り・子どもたちなど
誰もが自由に安全で快適に活動できるビーチのことで
日本ではまだまだ少ないようです。
こちら↓の大洗サンビーチでは
車椅子駐車場・身体障害者更衣室・車椅子トイレ・簡易シャワーが完備されており、
車椅子預かりサービスや予約すれば水陸両用車椅子ランディーズの貸し出し等も行われているそうです。
注目したいのは須磨ユニバーサルビーチマットプロジェクト!
ビーチまで一直線にビーチマットを敷き
車椅子でもベビーカーでも、障害があってもなくてもビーチを楽しもう!という素晴らしいプロジェクト!
水陸両用車椅子ヒッポキャンプもあり、
車椅子ユーザーなど
海を諦めていた人も海水浴を楽しめるようです♡
車椅子でもベビーカーでも…なんて
我々ウィルチェアファミリーにはぴったりじゃないですか!
ぜひ車椅子で子連れ海水浴を楽しみたい!
7月・8月は須磨海岸、アジュール舞子にてビーチマットが敷かれているようですので
お近くの方は、日程を確認して
足を運んで見られてはどうでしょうか。
今年は海水浴いけるかな?
今日はオフ会!
子連れで車椅子乗りたちと戯れてきま~す!(レポ予定なし)
のりちゃんでした。