平成から令和に変わった今年のGW、
我が家は私の実家のある関西に車で帰省していました。
のりちゃんです(^^)/
今回は賛否両論あるだろうなーな話です。
炎上したらどうしよう?
皆に相談したら、えりちゃんは「わかる!」
さんちゃんは、「なんで?」と。
若干ビビりながらの投稿です。
嫁の実家はバリアフル
「俺は誘われてないけど、どうしたらいいの?」
私の実家はノンバリアフリー。
いや、それどころかバリアフル。
狭小住宅だし、年に一度来るかどうかの娘の夫のために改修できるほどのお金もないし
田舎なので周りにバリアフリーのホテルもありません。
(自宅から片道12時間)
…となると、泊まるのは実家一択。
自宅ではADL(日常生活動作)ほぼ自立の旦那も、
(大抵のことは自分一人でできるよって意味です。)
玄関にも室内にも段差があり、車椅子幅ギリギリの廊下の家では
自力でできることはほとんどなくなり
何をするにも介助が必要になります。
(実家の玄関からキッチンへの廊下。車ギリギリ)
障害による困難さは、環境によって大きく変わるんです。
トイレは車椅子のまま入れず
乗り移れず手すりもなく、
洗面所も浴室も車椅子では入れない。
シャワーチェアーもバスボードもありません。
当然玄関も1人では出入りできず
動けるのは玄関横にある和室から、狭い廊下で繋がるキッチンのみです。
トイレを最近、簡易水洗から水洗にしたんですが…
父よ、私に改装の要望を聞くメールをしてきたくせに
盛大に便器のチョイスをしくじってくれました笑
おとん、この便器……摘便やりにくいタイプや笑
それにトイレの入り口の段差はフラットにしてもらえましたが
構造上の問題で手すりをつけるとなると大々的な工事が必要で
付けられませんでした。
(改装後のトイレ。おかんよ、このトイレマットのセンス…)
2人の頃は数年に1度帰るか帰らないかでしたが、
息子が産まれてからは帰らない訳にも行きません。
帰省がしたい嫁、旅行がしたい旦那
私も日々のストレスもあり、友だちにも会いたくて、
実家に帰りたいと思うようになったのですが
(新潟にですか?友だちなんて一人もいやしません。)
私1人で赤ちゃんと老犬と要介護のおじさんをみるのはなかなか大変で
ほとんど、私と息子だけで帰っていました。
旦那と帰ると旦那の自由も無くなりますが
私の自由もなくなります。
家族で行動するしかなくなり
自由に友達にも会いに出れなくなります。
(身動き取れない実家に置いていけないし、連れていくのもなんかね…)
だったんですが、今年の帰省は
「GW実家帰る」と言うと、先述の通りに返ってきました。
え?行きたいの?
めっちゃ大変なのに?
嫁の実家なんか行きたいか?
どうやら新潟人にとって関西はテンションあがる場所らしく
「え?行きたいけど。だってもう何年も俺だけ行ってない。」
(それはさ、実家に帰るっていうより関西のあちこちをたのしみたいだけでは?)
わからんことはないですよ。
こんなアクロバティックなお泊り、体力があるうちしかできませんから
体力あるうちに自分が息子を
あっちこっちに連れて行きたいって旦那の気持ちもわからんことはない。
まぁそんなこんなで、GWは珍しく一家で帰省してきました。
旦那がいると私には運転できないとこまで行けるので
それはそれでありがたい面もあり、
今回はおかげで逢いたかったSNSの知人にも会えましたし
(大阪なんかよう運転せんわ。神戸か京都が限度)
行き帰りも長距離なので運転してもらえるのは助かるし、
一人で息子を連れて帰る時ほどの緊張感と疲労感はありません。
OKが出たので友だちともランチできましたが、
その間旦那を実家にも置いておけず、外で1人でぶらぶらしてたので
「早く帰らないと(汗」と思ってしまったり。
親戚宅とか行くとなると、
旦那の機嫌が悪いから祖母宅に行くのはやめた方がいいかな…と
気を遣って行けなかったり。
いや、あんたは旅行か知らんけど
私は帰省やし。
私方にも墓はあります。
(私、毎年あんたとこの墓に参ってるやん。胚移植後に出血なぅってなってるのにそのまま墓参りいったやん)
これは障害関係なく、きっとどの夫婦にもある問題ですね。
ですがそこに介助が絡んでくるのです。
そうなると当人たちの心情はより複雑化してしまうのです。
旦那は旦那で遠慮も入るし
私は私で拒否ると変な感じになるしね。
いや、するよ。別に必要な介助はするよ。
介助そのものは嫌でも何でもないし、
旅行とかだったら、介助すれば一緒にできるとか行けるとかならなんぼでもするよ。
帰省に限った話なのかな…
嫁は色々考える
私には96だか97になる祖母がいるので
時々考えます。
もし私方の親戚に不幸があったら
旦那も一緒に行くべきか否か……
遠方だから仕事もたくさん休まないといけないし、
旦那が行っても身動き取れないし、旦那と子どもと両方見なきゃいけなくなる。
私の兄弟一家も実家に帰るだろうことを考えると……
あの狭い家に3家族が集ってさらにその中でトイレやお風呂の介助して
葬儀云々の疲れやストレスもあって…色々考えて厳しいかな。
先日WCFでお葬式の話をしていたので
そんな話を旦那にしてみました。
そんなことをこれまで一度も考えたことなかったらしい旦那は
私方の親戚に不幸があっても正直行きたくないそうで
(私は旦那方の葬祭関係は旦那の代打で納骨まで行きましたけど?という愚痴)
多分私と息子だけが行くことになるんだろうなぁ……。
え?皆さんどうされてます?
配偶者の実家への帰省とか冠婚葬祭関連への出席とか。
そこに介助が絡んだ場合とか。
嫁の実家・旦那の実家とか
バリアフリーになってますのん?
下手したら車椅子ユーザー自身の実家さえ
入れないとかありますよね。
(旦那の実家は建て替えて、スロープはあるものの
旦那が自力では入れない家になりました。出た身やから気にしませんけどね)
嫁の実家で泊まるには
うちは私の実家に帰省のたび、最低3泊はします。
バリアだらけの住宅ではトイレ・風呂が最大のネック。
毎日朝夕のトイレタイムを帰省時は1回に減らし、
高速のパーキングで済ませるようにします。
(その為だけに高速乗る時もあります。)
実家のトイレでするときもあるけど、まず便座に座るのが大変で
お風呂の椅子と私の体を手すりがわりに、よじ登ります。
お風呂は毎日入りますが、完全にアクロバット!
曲芸か何かかな?みたいな入り方をします。
車椅子が脱衣所に入れないから
車椅子から下りて、旦那は腕でおしりを浮かせながら後ろ向きに移動するプッシュアップでの移動をし
私が彼の足を引きずらないように持ち、
そのまま和室から浴室まで行きます。
親に
「決してこの扉を開けないでください」
と告げて廊下の戸を締めて……って鶴の恩返し状態。
全裸でおしりが傷つかないように(感覚がないから)
切ったバスマット2枚を交互におしりの下に入れながら進み、介助浴。
(この写真を見て、この風呂に入れると思う脊髄損傷者はほとんどいないと思う)
浴槽に入る時なんてもうまさに綱渡り状態で
座る場所もろくにないから、
お風呂の椅子を手すりがわりにして
際どいところに体幹のないおじさんがくにゃくにゃしながらよじ登り座り、
するりと入り……
なかなかのヤバさ笑
際どい介助しながら息子も同時に入れたりするから
結構な体力いるし、
親よ……せめて孫を入れてくれや(´;ω;`)
と泣きたくなったりしてね笑
嫁の気持ちには一体誰が寄り添ってくれるの?
「そんなんわかってて結婚したんやん?」
えー。
お風呂の介助方法まで考えて結婚する人、おる?
「ウチの実家バリアフリーじゃないから結婚できんわ」
とかいう人おる?
違うんだよなぁ。そうじゃないんだよなぁ。
なんだろ。この、誰にも伝わらないもやもや。
夫婦2人きりの時は、それでも良かったし
それさえ楽しかったのよ。
「私が手伝って、それでうまくいくならいいやん♬♡」
「こんな方法やったら、無理やおもてたことも何とかなったな♪」
ってね。
それがね、
子どもが産まれたら一気にハードさが増すんですよ( ̄▽ ̄)
私だけなのかな?
親の協力次第なのかな?
私の体力が無くなったせいかな?
いや、こんなこと思う私が悪いのかな?
障害のある配偶者に対して気を使うことや、相手を優先することって
障害のない配偶者に対してより多くなりがちだと思うんです。
だけど夫婦は対等だから
たまには自分がしんどい状況にならないように
配慮して欲しいなと思うときもあるんです。
たまに寄っかかられるのはいいけど、
ずっとずーーーーっと寄っかかられ続けるのはキツいし、
嫁にだって伸ばしたい羽もあるのよ!
寄っかかるのを当たり前だと思われることのしんどさを、考えたことはありますか?
って、思うんです。
え?障害あるとわかってて結婚したなら
そう思ったらダメなの?
私だけが摩耗していくのは当然のことなの?
嫁のワガママ? 複雑な本音
こんなこと言うと
「障害者の気持ちはどうなるの?」
「介助してもらうしかない障害者の気持ちを理解してない!どんな気持ちでいると思ってるんだ!」
「介助したくないってこと?」
「障害者差別じゃない?」
って言われがちだけど…そうじゃないの。
介助イヤイヤ!車椅子の旦那イヤイヤ!
って、そういうことじゃないの。
そんなの痛いほど見てるし、すべてをわかっているわけじゃないけど
他の誰よりも常日頃から感じてるよ。
障害を被っているのは、当事者だけじゃないんだよ。
家族は当事者と等しく、その障害を被っているんです。いろんな場面で。
だけど嫁や家族の気持ち考えてくれる人はどこにもいない、誰も居ない。
それなのに「わかってあげて」「よくしてあげて」
と見ず知らずの人からまでプレッシャーをかけられる。
これ以上どうやって?ってほど汲む努力はしてるし、
優先してるし、考えているし悩んでもいるんです。
それなのに、車椅子夫から
介助の仕方が悪い!段取りが悪い!お前が体調崩すとか有り得ない!
そんなことを言われる奥様も少なくないんです。
(うちじゃないよ?)
あれー?夫婦って何?
夫婦は対等だと思うからこそ
「私の帰省はどうなんねん」とも思うわけです。
うちは介助を外に頼っていないからこそ。
だけどそれを言ってしまうと、
介助を嫌がっている・面倒くさがっているようにとられてしまう。
旦那自身にも、周囲の全ての人々にも。
それを言えないのはなんとなく
対等ではない気もする。
「なら最初から結婚すんなや!」そう思われる方もおられるかもしれませんが
夫婦は対等。
介助者と被介助者でもなければ、配偶者は常に優遇されるべき弱者でもありません。
それが車椅子の嫁の(いや、私だけか知らんけど)複雑な本音です。
伝わる人にしか伝わらないであろう記事になってしまったけれど
脊損男の嫁たちには伝わる...かな???
今回ですか?あちこち息子を連れて行けたし
逢いたい人にも会え、なんならさんちゃん夫婦にも偶然会っちゃったりして
(そんなことある?)
なかなか面白い帰省だったんで
旦那と帰ってよかったなと思ってますよ、もちろん。
家族だからね。
良くも悪くも、家族だからね。