ウィルチェアファミリーチャンネル

当ブログにご訪問ありがとうございます! 【wheelchair family channel 】ウィルチェアファミリーチャンネルです。 車椅子ユーザーでも臆せずパパママになれる社会にむけての情報をメインに発信しております。当たり前ですが、車椅子ユーザーでも家庭を持って子育てができます。 少しの工夫をみんなで共有して大きな愛のある生活を手に入れませんか?

歩けないだけじゃない!


先日のことです。

雨の中、朝からゴミ捨てに行った我が家の車椅子の旦那

「へループ!落ちた!ズボン上げてー」

と言いながらズボンびしょぬれで戻ってきました。

 

車椅子の人と結婚すると、

突然緊急事態が発生することが多いような気がしています。

(うちだけかなぁ??)

 

車椅子旦那、 

朝時間がないときや私に余裕がないとき、

こっちも時間ないねんって時に限って

ヤバイ―――!ヘルプ――――!!ってのが多いのは

子どもと同じですかね笑

 

どうものりちゃんです(^^)/

詳しい自己紹介、PC版はTOPから飛べるように

みっちゃんがしてくれました♪

 

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痛みがないってこわいこと

何で落車したか?

ゴミ袋2つ持ってスロープを下りたら、

前が見えなくて車椅子の前キャスターがスロープのへりに乗り上げて

中身(旦那)だけキレイにボトンと落ちたらしく

膝で着地したもんだから、両膝真っ青( ゚Д゚)

ずる剥けておりました。

 

 

やん♡膝小僧が4歳の息子とお揃いやん(≧∇≦)

 

 

…なんてね。

 

脊髄損傷者は麻痺域より下の感覚がないので

ケガをしても全く痛くないんです。

最強でしょ?

 

 

 

いやいや、違うんです。

痛みがないって怖いこと。

折れていようがヒビが入っていようがわからないんです。

(盲腸になっても気づかないかもねと医者に言われたことがあります。)

 

 

 

そして完全麻痺の旦那は

歩かないから骨もスカスカでとっても折れやすい上、

血行が悪いため、麻痺域は一度ケガをするとたとえ軽い擦り傷でも

何か月も治りません

 

下手をすると、その傷から褥瘡(床ずれのこと)になり

場合によってはそれが命に関わることにもなりかねません。

 

車椅子に乗ってる人って、

ただ歩けないだけだと思っていませんか?

 

 今日はそんなお話です。

 

脊髄損傷ってどういうこと?

 

 

背骨の中には脳から体に指令を出すために

脊髄が通っています。

 

背骨を骨折したり、病気になったり

何らかの原因でその脊髄が損傷や圧迫を受けると

その部位より下に正常に信号が送れず、障害が生じます。

 

その部位が脳に近ければ近いほど

麻痺の出る範囲は広がります。頚椎の4番目より上を損傷すると、自発呼吸さえ難しくなることがあります。

脊髄は人間にとってとても大事な部分なのです。

 

圧迫や損傷の程度によって、麻痺の強さは変わります。

 

完全に神経が損傷を受けているものを完全損傷

一部は神経が損傷を受けず機能が残されているものを不完全損傷(不全麻痺)

と呼びます。

 

 

脊髄神経は1度傷つくと、再生することはありません。

(脊髄の腫れが引いたりして圧迫が除圧されることで機能が1部回復することはあるようです)

神経同士が繋がろうとするのを阻害する物質が分泌されると

昔何かのTVで見た気がします。

 

 

最近は受傷後何日以内とかに投薬すれば云々…みたいな再生医療も出てきてるんですかね?

話題のips細胞で。

 

 

 

年間約5000人が、新たにこの脊髄損傷になると言われています。

好発部位は頚椎。つまり首です。

 

 

歩けないだけじゃない

 

車椅子を使う理由は人それぞれで、

車椅子を使う人みんながそうといわけではありませんが 

脊髄損傷者には歩けない以外にも様々な困りごとを抱えています。

これが結構厄介だったりします。

 

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ただ転ぶだけ、ただちょっと擦りむくだけでも

命に関わるコワイことになったり

歩けないだけじゃなくて、体を支えることができなかったり

よくいわれるのが、「バランスボールの上に座っている感じ」

非常に不安定な状態で座っているのがわかります。

 

体を手で支えたり、背もたれがないと座るのが難しい人が多いです。

 

 

 

麻痺域は叩かれてもつねられても

うちの旦那は全く痛みも触られている感じもわかりません。

(人によります)

 

付き合い始めの頃、ほんとにわかんないもんなのかな?と

こっそりつねったことがありますが、

本当に彼は気づきませんでした。

(そんなんホンマはしたらあきませんよ)

 

 

歩けない以外にも、脊髄が傷つくとたくさんの体の不具合が生じます。

 

 

 

うちの旦那の損傷部位はTh12(胸椎12番)といって、

要はおへそのすぐ下あたりから麻痺しています。

 

その場合、そこから下の機能はすべて麻痺します。

 

足は動かないか動かせても思うようにはいかない、

触覚痛覚は消失するか鈍る、排泄機能も麻痺するため排泄感覚もわかりません。

生殖機能にも障害が出ますし、それ以外にも麻痺域は汗がかけず

人より熱が体にこもりやすくなります。

 

痙性といい、意図せず筋肉が痙縮し、バタバタと足が動いてしまう人も多いようです。

 

旦那は痙性はありませんが、慢性的な疼痛があり

麻痺して感覚のない足に原因不明の電撃痛が走ります。

これはどうやら下位脊損の人にでやすいみたいで、背骨を折ったすべての人がそうなるわけではありません。

症状の強弱は人それぞれ。

 

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(排便道具セット。排尿はまた別の道具が必要になります。)

 

歩けない以外にもたくさんの困りごとを抱え、

歩けないことより、むしろそれらに頭を悩ませたり多くの時間を費やさねばならなかったりするんですね。

 

特に困るのは排泄機能障害ね)

 

 

おわりに 

 

あ、うちの旦那ですか?

ずり下がったズボンを上げると、びしょ濡れのままゴミ捨てに行ってくれました。

 

幸いにも彼は今のところ"床トラ"と言って、

地面から車椅子にトランスファー(移乗)することができたので

車椅子から落ちても自力で何とかできることが多いのですが

(車椅子が変わると自力で上がれなくなります)

そうじゃない人もたくさんいますし、車椅子ユーザーにとって落車は本当に怖いです。

 

 

もし道で車椅子から落ちてる人が居たら

お声掛けいただければありがたいですm(_ _)m

 

 

膝は腫れてはないし、触った感じでは折れてる感じはないので

しばらく注意して観察するしかありませんね。

熱が出たり腫れてきたら、即病院です。

 

 

その夜、車椅子のキャスターで

飼い犬のうんこを踏んで走行不能の大惨事になったのはまた別の機会にでも(*_*)

 

 

もってんなー!

うちの旦那もってんなー!

 

 

のりちゃんでした。