ウィルチェアファミリーチャンネル

当ブログにご訪問ありがとうございます! 【wheelchair family channel 】ウィルチェアファミリーチャンネルです。 車椅子ユーザーでも臆せずパパママになれる社会にむけての情報をメインに発信しております。当たり前ですが、車椅子ユーザーでも家庭を持って子育てができます。 少しの工夫をみんなで共有して大きな愛のある生活を手に入れませんか?

障害のある親はどうやって子どもを守ればいいの?

ここ新潟では昨晩大きな地震がありました。

我が家は親戚友人含め、無事です。

ご心配頂いた方、すぐに連絡下さった方々ありがとうございました。

 

えりちゃん・みっちゃんの記事に

「うんうんそうそう!」とか「うちはこうしてるよ!」と言いたかったのですが、

今回は予定を変更して急遽、防災のお話をしたいと思います。

 

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災害時のこと 

 

地震発生時、私と息子はトイレに行って寝ようという時で

うちの車椅子旦那はトイレに居ました。

(脊髄損傷者は排泄機能が麻痺しているので、トイレには健常者には想像もつかないくらいトイレに時間がかかります。大抵の人が大きいほうに1時間以上はかかるのではないでしょうか。)

 

旦那は自力で車椅子に乗り移れるのですが

トイレを途中で切り上げるのは難しく、途中で車椅子には移れないため

トイレ中の地震は成す術がありません。

 

 

私はすぐに息子とダイニングテーブルの下に潜り、

テーブルの下から旦那に「大丈夫?」と叫びました。

 

「全然大丈夫~」

 

 

親に障害があると他の親のように

咄嗟に子どもを守れないことがあります。

 

 

特にトイレやお風呂、ベッド上に居る時にはサッと動けないからです。

 

 

地震が大きければ車椅子から投げ出されることもあるかもしれませんし

物が散乱すれば、車椅子は身動きが取れません。

洪水もそうです。

歩いて逃げれるような水位でも、車椅子だと途端にそうはいかなくなるのです。

 

 

 

たとえ親が健常者であっても、

災害時、必ず子どもを守れる状態であるとは限りません

下敷きになったり、ケガをしたり、

「1人で逃げなさい!」と言わざるを得ない場面がないとは言えません。

ですが障害があると、そのリスクがより大きくなるのではないでしょうか。

 

 

健常な配偶者が災害時に一緒に居たとしても、他に家族がいたとしても

障害のある人と子ども、自分の命までを守り切ることは難しいのです。

 

 

では、障害のある親やその配偶者は

どうしたら子どもを守れるのでしょうか?

 

 

 

我が家ではこうしています

 

我が家は息子が物心ついた頃から

災害があったらどうしたらいいかを教えています

自分で身を守ることを身に着けてほしいからです。

 

 

 

どんな時でも繰り返し繰り返し言い聞かせているのは、

 

「ママやパパは逃げる時にもしかしたら遅れるかもしれないけれど

 死なないように頑張るから、先に逃げなさい。自分の命を守りなさい

 

 遅くなっても必ず探しに行くし、もし行けなかったら

 じいちゃんばぁちゃんやおじちゃんが絶対迎えに来てくれる

 

「もし死にそうになったら、

 僕は絶対に死なない。僕が死んだらママが泣くから僕は死なない。

 絶対に生きてママのところに帰る。そういう気持ちを持っていて。」

 

 

この2つです。

 

 

 

我が家は雪国。

冬になるとホワイトアウトし、

何台も車が田んぼに落ちる道を息子の乗る保育園バスが通ります。

 

多くの子どもが乗る園バスにはチャイルドシートはありません。

冬になるたび、繰り返し繰り返し言います。

 

「いつ事故になるかわからないから、必ずバーをしっかり握りなさい。

 もし事故になったら、大人が動けたら大人の指示に従いなさい

 でももし大人がみんな動けなければ、どうしたら助かるかをよく考えて

 お外に出たら寒くて死んでしまうよ。

 

 でももし臭いにおいや火が見えたらどうしたらいいと思う?

 ママならすぐに車から逃げる。爆発したら死んでしまうから。

 死んだらパパにもママにももう会えないから、絶対に死なないよ。」

 

 

こんなことを言われて、怖いとは思います。

 

ですが、命を守り切れなければ

もう二度と会えなくなるということに

子どもは子どもなりに真剣に向き合ってくれます。

 

自分の命を大切にできるようになってほしいのです。

(お前がそれを言うか笑)

 

 

 

2年ほど前、3歳になったばかりの息子を抱いて朝、何度も退避しました。

北朝鮮からのミサイル発射でJアラートが鳴り響いていた時期だったからです。

 

解除されるまでの間、

窓のないトイレに2人でしゃがみ

何が起こっているのか、どうしたらいいのか、保育園にいる時に

あの音が鳴り響いたらどうしたらいいのかを

繰り返し繰り返しお話しました。

 

(そういえばあの時もトイレに居たよ。うちの車椅子旦那は…)

 

 

子どもだから、どうせ話してもわからないよ。

そういう方もおられますし、確かに説明されることに慣れていない子どもは話を聞かないかもしれません。

ですが、幼いころから大事なお話はしっかり伝えるようにしていれば

子どもは子どもなりに、理解しようと努めてくれると私は考えています。

 

 

 

昨日の息子は、すぐ退避行動をとることは出来ませんでしたが

私がテーブルに!というと「そうだったね!」とすぐに潜り込むことができました。

 

揺れがおさまり、私と旦那がライトを出したり

身の回りのものをまとめたりしている間、いい子でテーブルの下で待っていました。

 

「ママ!忘れちゃいけない!犬の紐!!」

と言って自分なりに犬を守ろうと考えたようです。

 

 

津波注意報がでて津波1mなら大丈夫」と息子に言いましたが

昨夜Twitterを見ていたら1mの津波はさらわれれば致死率100%だと知りました。

さっそく、息子に伝えなおさなければいけませんね。

 

 

 

大人でも不安になる地震速報やJアラートの音。

発達障害聴覚過敏があり、敏感な息子にはなかなかしんどい音です。

健常なお子さんでもきっと不安な音だと思います。

 

ですがそれが命を守る音だということをしっかり伝え、

平常時にYouTubeなどで聞かせて、慣れておくことと、

これが鳴ったら命を守ると教えておくことは大事なのかな?

と思います。

 

避難バッグの中身 

 

 

地震発生直後に私が用意した

息子用のバッグの中身はこんな感じです。

 

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親がついていられない時のために、

あらゆるカバンの中やチャイルドシートに、

息子の血液型や連絡先(両親・祖父母・保育園の連絡先)、既往歴を書いたカードを取り付けています。

 

①着替え ②ライト ③雨具 ④おやつ ⑤水

⑥靴 ⑦上着 ⑧本 ⑨ぬいぐるみ ⑩保険証

⑪タオル

 

(水と上着は息子が写真を撮る前に出してしまいました)

 

 

 

あなたなら、

こどもを守るために

何を準備しますか?

 

 

 

 

災害時は障害があっても誰かに守ってもらえるわけではありません

障害があっても親になれば、守らなければならないものがあります。

 

もし、大地震が起こったとき

あなたはどうしますか?

その備えは、できていますか?

 

 

 

車椅子旦那のいる我が家の備えについては、

また機会がありましたらお伝えできればと思います。

 

 

今回の地震の被害に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。

のりちゃんでした。